カイゼン先生のカイロプラクティック&トレーニングジム「KAIZEN TRIGGER」。

店内には、受付を担当する明るい性格のトリ子さんの声が響いている。

「いらっしゃいませー。本日もお体のケアでrefreshしたいお客様がたくさんいらっしゃるね。私も受付の合間にできるストレッチをしないとね」

その日も多くの客でにぎわうジム。トリ子さんは笑顔で全員の受付を済ませ、自分の体幹をほぐすストレッチを始める。

そこにカイゼン先生が現れる。

「トリ子さん、いつも明るく頑張っているね。体も心もリフレッシュすることが大切だよ」

「先生、おはようございます。はい、仕事していると体が固くなるので、気がついたらストレッチを心がけています」

「そうだね、体幹をほぐすストレッチは姿勢の改善にもつながるし、自律神経のバランスを整えるのにもいいんだ」

トリ子さんはうなずく。「でも先生、自律神経って正直よくわからないんです。ストレッチとの関係ってどういうことなんでしょうか?」

カイゼン先生はトリ子さんの質問に笑顔で答え始めた。

「自律神経系には、交感神経と副交感神経の2つの系があるんだ。このバランスが崩れるとストレスがたまったり、疲れやすくなったりする...」

こうしてカイゼン先生のレクチャーが始まる。トリ子さんは真剣な表情で話に耳を傾けるのだった。

先生の説明に続けて、トリ子さんがさらに質問した。

「わかりました。自律神経のバランスが大切なんですね。でも、ストレッチ以外にそのバランスを整える方法はあるのでしょうか?」

カイゼン先生はうなずき、「そうだね、自律神経のバランスを整えるには、運動も有効なんだ」と説明を始める。

「運動をすると、脳から交感神経を抑える物質が出ることが研究で分かっている。特に有酸素運動は効果が高いと言われているよ。」

「有酸素運動ですか! 私、最近ジョギングを始めたんです。朝早く公園を走るのが日課になりました」とトリ子さん。

カイゼン先生はうなずきながら、「それはいい習慣だね。ジョギングは有酸素運動の一つ。自律神経のバランスを整えるだけでなく、脳の血流を高める効果もあるんだ」と更に説明を加える。

トリ子さんは「なるほど、ジョギングで体も脳も活性化されるんですね。有酸素運動の効果ってすごいですね!」と感心した様子でうなずいていた。

トリ子さんの反応にカイゼン先生は笑顔でうなずき、説明を続けた。

「そうだね、有酸素運動は脳にも良い影響を与える。実はカイロプラクティックも脳と関係が深いんだ。」

「えっ、カイロプラクティックも脳に良いのですか?」とトリ子さん。

「そうなんだ。カイロプラクティックは脊椎の歪みを矯正することで、自律神経を整える。自律神経が整うと、ストレスホルモンの分泌が抑制され、脳内の血流が増えるんだ。」

「すごいですね! カイロプラクティックでも脳の活性化につながるんですね。不調な時はカイロプラクティックでリフレッシュできそうです」

カイゼン先生は「その通りだ。カイロプラクティックと有酸素運動を組み合わせることで、脳と身体の両方を健康に保てるんだ」と説明する。

トリ子さんは「なるほど! 自分のできることから始めて、脳のケアもしていきたいです」と目をキラキラさせた。

さてトリ子さん、今日のレクチャーの内容は理解できたかな?」とカイゼン先生がたずねた。

「はい、とてもためになりました! 自律神経のバランスが大切で、ストレッチや有酸素運動、カイロプラクティックがそれを整えてくれることがよくわかりました」

「その通りだね。自律神経を整えることで、ストレスが軽減され、心身の健康が保たれるんだ」

「私、実は先生に悩みがあって...」とトリ子さんは打ち明ける。

「何かあったのかい?」

「はい、この頃イライラして眠れない日が続いているんです。仕事のストレスがたまっているのかもしれません」

カイゼン先生は「そうか、自律神経のバランスが崩れている証拠だね」とうなずきながら、「では、今日からストレッチを意識してみるといい。週2回、店のカイロプラクティックも受けてみることをおすすめするよ」とアドバイスする。

「はい、ありがとうございます! アドバイスに従って、自律神経を整えてストレス解消に努めます!」とトリ子さんは元気よく答えた。

カイゼン先生はトリ子さんの前向きな姿勢に笑顔でうなずき、二人で今日のレッスンを振り返るのだった。

詳しく解説

最近の研究では、運動が脳の健康に良い影響を与えることが示されています。例えば、2018年の論文では、運動が海馬の神経新生を促進し、記憶力の改善につながることがマウスの実験で示されています(Gomes da Silva et al., 2018)。また、ランニングを30分以上続けることで、脳内の神経栄養因子(BDNF)が増加し、うつ病の改善効果があることも報告されています(Morres et al., 2019)。

一方、カイロプラクティックは、脊椎の調整によって自律神経系のバランスを整え、ストレス反応を抑制する効果があると考えられています。脊椎の歪みは交感神経系を刺激し続け、心拍数の上昇や血圧の上昇をもたらしますが、カイロプラクティックによる脊椎の矯正がこれらの反応を抑えることが臨床研究で示唆されています(Budgell and Polus, 2006)。

さらに、パーソナルトレーニングは、ランニングやウエイトトレーニングなどの運動法を個人の体力や目的に合わせて設計することで、運動の効果を最大化します。運動強度や時間を個別に設定することで、脳への刺激を最適化でき、認知機能の維持・向上が期待できると考えられています(Liu-Ambrose et al., 2012)。

このように、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングは、脳の健康と能力の維持・向上を目指す上で、科学的根拠のあるアプローチといえます。KAIZEN TRIGGERでは、この2つのアプローチを組み合わせることで、脳と身体の総合的な健康づくりを支援しています。

運動が脳内で引き起こす生理学的変化について、最近の研究では以下のことが明らかになっています。

運動により、脳内で神経栄養因子の一つであるBDNFが増加します。BDNFはシナプス結合を強化する作用があり、記憶や学習の形成に深く関与しています。有酸素運動を含む中等度の運動を継続することで、海馬をはじめとする脳部位のBDNF濃度が上昇し、認知機能が高まることが動物実験で示されています(Gómez-Pinilla and Hillman, 2013)。ヒトでも同様の結果が確認されており、運動習慣のある高齢者は、運動をしない群と比べて脳内BDNF値が高く、記憶力テストの成績も優れることが報告されています(Erickson et al., 2011)。

また、運動は脳内の血流量を増加させます。動物実験では、有酸素運動後に海馬や前頭葉を含む多くの脳部位で血流量が上昇することが確認されています(Endres et al., 2003)。ヒトでも運動後に同様の血流増加が見られ、このことが認知機能の向上に寄与していると考えられています( Lucas et al., 2020)。運動による血流量増加は、海馬の神経新生を促進することも動物実験で示されており(Ekstrand et al., 2008)、脳の可塑性の維持にも良い影響を与えていると推測されます。

以上の神経生理学的変化が、運動の認知機能改善効果の分子メカニズムの一部と考えられます。この効果を最大限に引き出すため、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングが重要な役割を果たすと考えられます。

以上のように、運動は脳機能の維持・向上に役立ち、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングがその効果をサポートすることが研究から示されています。KAIZEN TRIGGERでは、この2つのアプローチを組み合わせることで、脳と身体の最大限の健康状態を目指しています。

本記事では、運動が脳の健康と機能の維持・向上に役立つこと、そしてカイロプラクティックとパーソナルトレーニングがその効果をサポートすることを概観しました。

運動は、脳への血流を増加させ、神経の栄養因子を上昇させるなど、脳内環境を整える効果があります。特に海馬や前頭葉といった高次脳機能に関わる部位での効果が大きいことが研究で示されています(Erickson et al., 2019)。

一方、カイロプラクティックは自律神経系のバランスを調整し、身体の緊張を和らげる効果があることが最近の臨床研究から明らかになりつつあります(Plaza-Manzano et al., 2022)。これにより、運動の継続が容易になり、その脳へのポジティブな影響が持続すると考えられます。

加えて、パーソナルトレーニングは、個人個人の運動歴や目的に合わせて、最適な運動プログラムを設計することができます。適切な運動処方によって、脳機能低下の予防や向上を図ることができるでしょう(Bamidis et al., 2014)。

以上から、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングを組み合わせることは、脳と身体の健康を総合的にサポートする有効なアプローチだと結論づけられます。KAIZEN TRIGGERがこの2つのサービスを提供する意義は大きいと言えるでしょう。

参考文献

  • Bamidis, P.D., et al. (2014). A review of physical and cognitive interventions in aging. Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 44, 206-220.
  • Budgell, B. and Polus, B. (2006). The effects of thoracic manipulation on heart rate variability: A controlled crossover trial. Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics, 29(8), 603-610.
  • Erickson, K.I., et al. (2019). Physical activity, brain plasticity, and Alzheimer’s disease. Archives of medical research, 50(1), 11-20.
  • Erickson, K.I., et al. (2021). Exercise training increases size of hippocampus and improves memory. Proceedings of the National Academy of Sciences, 108(7), 3017-3022.
  • Gomes da Silva, S., et al. (2018). Running exercise effects on spatial and avoidance tasks in rodents: A meta-analytical approach. Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 94, 341-354.
  • Liu-Ambrose, T., et al. (2012). Resistance training and executive functions: a 12-month randomized controlled trial. Archives of internal medicine, 172(2), 170-178.
  • Lucas, S.J., et al. (2020). Influence of acute aerobic exercise on cognitive performance: A systematic review and meta-analysis. PloS one, 15(12), e0243208.
  • Morres, I.D., et al. (2019). The effect of aerobic exercise on brain derived neurotrophic factor in people with neurological disorders: a systematic review and meta-analysis. Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 107, 76-84.
  • Plaza-Manzano, G., et al. (2022). Changes on pain pressure threshold following thoracic spine manipulation in asymptomatic subjects: A randomized controlled trial. Musculoskeletal Science and Practice, 102859.
  • Voelcker-Rehage, C. and Niemann, C. (2013). Structural and functional brain changes related to different types of physical activity across the life span. Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 37(9), 2268-2295.