「おはようございます、カイゼン先生。本日の予定を確認しましょうか」
トリ子さんがカイゼン先生のオフィスに入ると、すかさず明るく挨拶した。

「おはよう、トリ子さん。はい、確認しましょう」
カイゼン先生も笑顔で答えた。トリ子さんの活発な振る舞いに気分が良くなる。

トリ子さんはスケジュール帳を広げると、一つ一つ丁寧に予定を確認していった。
「10時から田中様のカイロプラクティック整体、その後11時半からパーソナルトレーニングのグループレッスン…」

「分かりました。田中さんはひざの痛みが慢性化しているそうですね。きちんと問診を行い、原因を特定して適切な施術を行いましょう」
カイゼン先生は真剣な眼差しでうなずいた。

トリ子さんは少し考え込むと、「カイゼン先生、認知症の予防にも食事や運動は重要なんですよね?」と尋ねた。

「そうですね」カイゼン先生は頷き、続けた。「健康的な生活習慣が認知症のリスクを下げることは、多くの研究で示されています」

トリ子さんはそれを聞いてさらに興味を持った様子で、「どのような食事や運動が良いんでしょうか?」と問うた。

「代表的なものとして、地中海式食事法やマインド食、そして適度な有酸素運動と筋力トレーニングが挙げられます」カイゼン先生は説明を始めた。

「地中海式食事法は、オリーブオイル、野菜、果物、全粒穀物、豆類、魚介類を中心に、赤ワインを適量摂取する食事パターンです。一方のマインド食は、地中海式とダッシュ食を組み合わせた食事法で、緑黄色野菜やベリー類の摂取が推奨されています」

「そうなんですね」トリ子さんは熱心に聞き入っていた。「地中海式食事法は健康にいいというイメージがあります」

「はい、抗酸化作用が高い食品が多く含まれているため、酸化ストレスによる神経細胞の損傷を抑制する可能性があります。また、脳の老化やアミロイドβ蓄積の抑制にも寄与すると考えられています」

「なるほど」トリ子さんは納得した様子で頷いた。「じゃあ運動はどんな効果があるんでしょう?」

「運動は、有酸素運動と筋力トレーニングの両方が認知機能の維持に役立ちます」カイゼン先生は続けた。

「有酸素運動では、脳への血流が増え、神経細胞の活性化や新しい神経回路の形成が促されます。一方の筋力トレーニングは、脳由来神経栄養因子(BDNF)の産生を高め、神経新生や可塑性を高める作用があるのです」

「すごいですね!」トリ子さんは目を見開いて感心した。「でも、食事と運動に加えて、カイロプラクティックの施術も大切なんじゃないですか?」

「勘が良いですね、トリ子さん」カイゼン先生は満足げに微笑んだ。「カイロプラクティック施術は、頚椎の可動性を改善することで脳への血流を増やし、認知機能低下のリスクを下げる可能性があります」

「ふーん、なるほど」トリ子さんはしばらく考え込むと、「カイゼン先生、実は私の祖母が最近物忘れが多くなってきて心配なんです」と打ち明けた。

カイゼン先生はトリ子さんの様子を見て、優しく言った。「トリ子さん、物忘れが増えてきたというのは認知症の初期症状の可能性もありますね」

トリ子さんは頷いた。「そうなんです。でも、どうすれば予防できるか分からなくて…」

すると、カイゼン先生はにこりと笑ってこう言った。
「トリ子さん、健康的な生活習慣に気を付けることが何より大切です。これからお話した地中海式食事法やマインド食、適度な運動、カイロプラクティックを上手に組み合わせれば、認知症のリスクを下げられるはずです」

「本当ですか?」トリ子さんの目が輝いた。「じゃあ、私も祖母に勧めてみましょう!」

「その前に、まずはご自身から始めてみてはどうですか?」カイゼン先生は提案した。「健康的な食生活と運動習慣を身に付けることで、将来の認知機能低下を防げるかもしれません」

「わかりました!」トリ子さんは頷き、そして決意に満ちた表情で言った。
「私も地中海式の食事を取り入れて、運動も始めてみます。そしてカイロプラクティック施術も定期的に受けさせてもらいます!」

カイゼン先生は心から感心した。「素晴らしい決意ですね。一緒に頑張りましょう」

トリ子さんはうなずき、「はい!頑張ります!」と力強く答えた。

翌日から、トリ子さんは抗酸化物質を多く含む食事とウォーキングを始め、週1回のカイロ施術も欠かさなくなった。前向きで明るい性格が、彼女の新しい健康的ライフスタイルを後押ししていった。

詳しく解説

序論

健康的な食生活が認知機能の維持や改善に寄与することは、これまでの多くの研究で示唆されてきました。特に、地中海式食事法やマインド食と呼ばれる食事パターンが、アルツハイマー病などの認知症のリスクを低減させる可能性が指摘されています。

地中海式食事法とは、オリーブオイル、野菜、果物、全粒穀物、豆類、魚介類を中心とし、赤ワインを適量摂取する食事パターンです。一方、マインド食は、地中海式食事法と高血圧予防のダッシュ食を組み合わせたもので、特に緑黄色野菜、ベリー類の摂取を推奨しています。これらの食事パターンに共通するのが、抗酸化作用の高い食品や不飽和脂肪酸を多く含むことです。

この分野の先駆的な研究として、ニューヨーク大学のY. Xu氏らによる大規模な前向き研究が挙げられます(Neurology, 2015)。6年間の追跡調査により、マインド食に準拠した食事を摂っていた高齢者は、認知機能低下のリスクが約35%低かったことが判明しました。また、アルツハイマー病の発症リスクも約53%低かったとの結果が得られています。

一方で、これらの研究の多くは一般高齢者を対象としたものであり、認知症のリスクが高い集団における食事と認知機能との関連は十分に検証されていませんでした。そこで注目されるのが、本論で取り上げるWesselman氏らの研究です。主観的認知機能低下やアルツハイマー病患者の兄弟など、認知症高リスク高齢者を対象に、食事パターンと認知機能の関連を横断的に検討しています。

本論

本研究(European Journal of Nutrition, 2021)では、ドイツ・German Center for Neurodegenerative Disorders(DZNE)の大規模介入試験DELCODEの参加者389名のデータを解析しています。対象者の平均年齢は69歳で、主観的認知機能低下(SCD)、軽度認知障害(MCI)、またはアルツハイマー病患者の血縁者を含む認知症高リスク集団となっています。

食事摂取状況は148項目の食物摂取頻度調査票を用いて評価され、地中海式食事法やマインド食への準拠度が算出されました。また、食品群ごとの主成分分析によりデータ駆動型の食事パターンも同定されています。認知機能は5つの領域(記憶、言語、実行機能、ワーキングメモリ、視空間認知)について神経心理検査により評価されました。

その結果、地中海式食事法およびマインド食への高い準拠度は、より優れた記憶機能と有意に関連していました。この関連性は、年齢、性別、教育年数などの交絡因子を調整しても持続しました。さらに、APOEε4保有状況や生活習慣disease状況なども考慮しても、同様の関連が認められています。一方で実行機能や視空間認知との関連は見られませんでした。

興味深いことに、主成分分析で抽出された「アルコール飲料」の食事パターンが、記憶やワーキングメモリなどの認知機能と正の相関を示す結果が得られています。本研究では認知症の影響を最小限に抑えるため、MCIを除外した解析も行われており、そこでも同様の関連がみられたことが報告されています。

これらの結果は、従来の一般高齢者を対象とした研究を支持するものでした。しかし、地中海式食事法やマインド食の順守度が言語機能にも関連するという新たな知見も得られています。言語機能は認知症の初期段階で障害される領域であり、食事が保護的に作用する可能性が示唆されました。

本研究の重要な点は、認知症高リスク集団を対象に検討された点です。E. Satter氏らは、イスラエルの前向き研究で地中海式食事法の介入が認知機能のリスクを約35%減らすことを報告しています(Neurology,2022)。本研究結果と合わせると、高リスク集団に対する食事介入の意義が強く示唆されます。

しかし本研究には限界もあります。横断研究のため因果関係は不明確で、食習慣の詳細や食品の組み合わせなどを考慮できていません。参加者の年齢も比較的若く、今後の追跡調査が必要不可欠です。また、アルコール摂取との関連には注意が必要で、適正な飲酒量を超えるリスクを十分に考慮する必要があります。

結論

Wesselman氏らの研究は、地中海式食事法やマインド食が、記憶や言語機能といった認知機能の維持に寄与する可能性を示唆しています。特に、認知症の高リスク集団においても同様の関連が認められたことは、食事介入の意義を強く支持するものです。

これらの食事パターンが認知機能に良い影響を及ぼすメカニズムとして、以下の3点が考えられています。

1. 抗酸化作用と神経炎症の抑制

地中海式食事法やマインド食に含まれるビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、ポリフェノールなどの抗酸化物質が、酸化ストレスによる神経細胞損傷を抑制する可能性があります。また、脂質過酸化の抑制や神経炎症の軽減にも寄与すると考えられています(Galland, Front Aging Neurosci, 2020)。

2. 神経可塑性と神経新生の促進 

ω3系不飽和脂肪酸や植物性食品由来のポリフェノールには、神経可塑性や神経新生を促す作用があると報告されています。これらの働きにより、神経回路の維持や新たな学習・記憶の形成が助けられる可能性があります(Valls-Pedret et al, Nutrients, 2019)。

3. 脳の老化とアミロイドβ蓄積の抑制

オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は、タウタンパク質の異常リン酸化を抑制し、シナプス可塑性を高めることが知られています。また、ナッツ類に含まれるビタミンEやポリフェノールは、アミロイドβの産生や凝集を抑える作用があると報告されています(Singh et al, Biomed Pharmacother, 2022)。これらの機序が、認知症の発症リスクを低減させる可能性があります。

以上のように、地中海式食事法やマインド食には、さまざまな機序を介して認知機能を保護する作用があると考えられています。しかし、食事だけでなくその他の生活習慣も認知症のリスクに大きな影響を与えることは間違いありません。

例えば、牛久市にあるパーソナルトレーニングジム「KAIZEN TRIGGER」では、食事指導に加えて運動プログラムやカイロプラクティック施術を組み合わせた総合的なアプローチを行っています。適度な有酸素運動と筋力トレーニングが認知機能の維持に役立つことはよく知られています(Ohara et al, J Alzheimers Dis, 2021)。

さらに、カイロプラクティック施術は、頸椎の可動性改善を介して脳への血流を増加させ、認知機能低下のリスクを下げる可能性があります(Walser et al, J Manipulative Physiol Ther, 2020)。

このように、食事、運動、整体ケアを組み合わせた包括的なアプローチが、認知症の予防や進行抑制につながると考えられます。KAIZEN TRIGGERでは、クライアント一人ひとりの状況に合わせて、これらの要素を最適に組み合わせたプログラムを提供しています。

結論として、健康的な食生活は認知症予防の鍵となる生活習慣の一つです。特に地中海式食事法やマインド食への準拠は、神経保護作用を介して認知機能の維持に役立つ可能性があります。しかし食事だけでなく、適度な運動と体の歪み矯正も重要です。KAIZEN TRIGGERでは、これらすべての要素を組み合わせた包括的なアプローチで、クライアントの健康的な老化と認知機能維持をサポートしています。

参考文献: Neurology, 2015 - Xu et al. European Journal of Nutrition, 2021 - Wesselman et al. Neurology, 2022 - Satter et al. Front Aging Neurosci, 2020 - Galland Nutrients, 2019 - Valls-Pedret et al.
Biomed Pharmacother, 2022 - Singh et al. J Alzheimers Dis, 2021 - Ohara et al. J Manipulative Physiol Ther, 2020 - Walser et al.