「おはようございます、トリ子さん。今日も張り切っていきましょう」
「はい、カイゼン先生。がんばります!」

KAIZEN TRIGGERのフロントで、トリ子さんが明るく応対していた。カイロプラクティックとトレーニングを融合した施設の受付を務めるトリ子さんは、来院されるお客様に良い印象を与えられるよう、いつも笑顔と元気な対応を心がけていた。

最初の施術が終わり、カイゼン先生が現れる。
「トリ子さん、少し質問があるんですが」

「はい、なんでしょうか?」

「実は先日、肩が上がらない30代女性の方が来院されたんです。デスクワークが多く、いつの間にか肩が上がらなくなったと。ご存知の通り、KAIZEN TRIGGERではカイロプラクティックとパーソナルトレーニングを組み合わせた治療を行っているんですが、どのようにアプローチすれば良いか、ご質問させていただきたいと思います」

「カイロプラクティックは関節の問題に、パーソナルトレーニングは筋力アップに効果があると認識しています。お客様の症状に合わせて、両方の長所を生かした施術が必要ということでしょうか?」

「正解です。その通りなんですね」カイゼン先生は頷き、続けた。「さらに言えば、一過性の対症療法ではなく、肩関節障害の根本原因に立ち返り、根本から改善することが大切です。症状は氷山の一角に過ぎません」

「それは確かに大事なポイントですね。根本原因を解決しないと、一時的には良くなっても、また同じ症状が出てくるかもしれません」トリ子さんも納得した。

「できれば、もう少し具体的なアプローチ方法を教えていただきたいのですが」

「分かりました」カイゼン先生は頷いた。「肩関節障害、特に今回のようなケースでは、姿勢の歪みである『巻き肩』が原因の一つとされています。デスクワークで常に前傾姿勢を取り続けることで、肩甲骨が内旋し、前方に巻き込んだ状態になるのが巻き肩です」

「なるほど。それで肩関節の可動域が制限され、様々な筋肉のバランスも崩れてしまうということですね」

「その通りです。そのため、まずはカイロプラクティック矯正で、関節の可動性を改善し、巻き肩による筋肉の緊張を解放することが第一ステップになります」

「手技による関節矯正と筋緊張のリリースを行うわけですね。続いて、パーソナルトレーニングでは、どのようなアプローチを取るのでしょうか?」

「肩甲帯の安定化筋であるローテーターカフやリーパー筋群の強化が重要になります。これらの筋肉を適切に鍛えることで、肩関節の可動域が広がり、痛みも軽減するとされています」

「そうすると、カイロプラクティックで肩関節の可動域を改善し、その上でパーソナルトレーニングによる筋力アップで更なる改善が見込めるわけですね。相乗効果がありそうです」

「正にその通りです。さらに、体幹筋の強化も重要視されています。体幹は上肢と下肢の要となる部分ですから、安定性が乏しいと上肢の動作にも影響を及ぼすからです」

「なるほど、カイロプラクティックとトレーニングの両輪で、筋肉と関節の両面からアプローチするということが分かりました」トリ子さんは頷いた。

「そのほかにも、KAIZEN TRIGGERでは最新の手法を取り入れています」カイゼン先生は続けた。「加圧トレーニングというのをご存知ですか?」

「はい、血流制限を利用して筋力アップを狙う手法ですよね。最近、注目を集めているトレーニング方式だと聞いています」

「正解です。加圧トレーニングは、静脈還流を制限する"加圧"と筋力トレーニングを組み合わせた方法で、従来のレジスタンストレーニングに比べ、より高い筋肥大と筋力増強効果が期待できるのです」

「なるほど。血流制限によって、筋肉内の代謝産物が蓄積するため、たんぱく質の合成が促進されるということでしょうか」

「えらい、よく理解できていますね」カイゼン先生は感心した様子だ。「その通りです。加圧トレーニングを取り入れることで、より効率的な筋力およびパフォーマンス向上が可能となります」

「素晴らしい施術内容ですね」トリ子さんは目を輝かせた。「でも、トレーニングだけでは筋肉は修復されませんよね?」

「確かにその通りです。筋肉の修復とたんぱく質合成には、良質なタンパク源の摂取が欠かせません。そこで当院では、LINE上で栄養アドバイスを行い、カロリーとたんぱく質の適切な摂取量をアドバイスしているのです」

「なるほど。トレーニングと栄養の両面からケアされるわけですね。本当に手が抜けていないアプローチだと思います」

そこで、待合室からトリ子さんの名前を呼ぶ声が聞こえた。

「あ、私が呼ばれているようです。カイゼン先生、ありがとうございました。とても分かりやすい説明で、肩関節障害へのアプローチが理解できました」

「どういたしまして。サービスの質向上には、スタッフ一同が理解を深めることが重要ですからね」

トリ子さんは元気に受付に戻っていった。

数時間後、トリ子さんはカイゼン先生に呼ばれた。

「トリ子さん、ちょっと来てくれますか」

「はい、何でしょうか?」トリ子さんが尋ねると、カイゼン先生は話を続けた。

「実は、さっきの肩が上がらない女性のケースなんですが、とてもいいきっかけになりそうなんです」

「えっ、どういうことでしょうか?」

「この方、実は妊婦なんですよ。つまり、産後の体型の変化にも対応する必要があります」カイゼン先生は言った。「その辺り、うまく説明できますか?」

トリ子さんは少し考え、こう答えた。

「産後は体の変化が大きいですからね。体重の変動や筋力の低下、ホルモンバランスの変化など、さまざまな影響が出ます。その中でも、特に骨盤の歪みや下半身の柔軟性低下は深刻で、姿勢にも大きな影響を与えます」

「なるほど、よくおさえていますね」カイゼン先生は頷いた。

「そうなると、巻き肩に加え、骨盤の歪みや全身の歪みも生じてくる可能性がありますね。だとすれば、従来のカイロプラクティックとトレーニングだけでは不十分かもしれません」

「正にその通りです」カイゼン先生が合った。「骨盤の矯正や全身のケア、柔軟性の改善なども必要になってくるでしょう」

「ゆえに、産後の体型変化には対応が大変そうですね。けれどもKAIZEN TRIGGERなら、このようなケースにも対応できそうです!」トリ子さんははにかみながら言った。

カイゼン先生は頷いて微笑んだ。「そうですね。トリ子さん自身の経験も生かせそうですし、妊婦や産後ママへのケアに長けているでしょう」

「え、え!?」トリ子さんは驚いた様子で眼をパチパチとさせた。それを見て、カイゼン先生は大げさに胸を撫で下ろし、こう続けた。

「トリ子さんご自身、5年前に出産されていますから、その経験は役立つはずですよ。肩の痛みとは別の問題もありそうですし、共感の伴うケアが求められますね」

「わ、わたくしでよろしかったら…」トリ子さんは照れくさそうに言った。「頑張ります!」

そしてトリ子さんは、前例のないケースに立ち向かおうと、明るく笑顔を見せた。

カイゼン先生はそんなトリ子さんの姿に、「これぞKAIZEN TRIGGERの魂だ」と感心した。

このようにKAIZEN TRIGGERでは、カイロプラクティックとトレーニングを統合したアプローチだけでなく、スタッフ一人一人の経験と成長を大切にしながらサービスの質を高めていた。

詳しく解説

序論

肩関節周囲の痛みは現代社会で非常に多く見られる症状で、その原因は多岐にわたります。特に最近では、デスクワークやスマホの利用による不適切な姿勢が要因となり、巻き肩(rounded shoulder)と呼ばれる状態を引き起こし、さまざまな肩関節障害の発症リスクを高めています。

牛久市にあるKAIZEN TRIGGERでは、カイロプラクティック整体とパーソナルトレーニングを融合したアプローチで、巻き肩をはじめとする姿勢の歪みから来る肩関節障害に対して、根本的な改善を目指しています。

巻き肩は、姿勢が前傾し、肩甲骨が内旋し前方に巻き込む状態を指します。この状態が固定化すると、肩関節の可動域が制限され、さまざまな筋肉の緊張バランスが崩れ、肩周囲の痛みや可動域制限を引き起こします。Kempfら(2021)は、巻き肩の人では上腕骨頭と肩甲骨との間の空間が狭くなり、インピンジメント症候群のリスクが高くなることを示しています。

巻き肩を引き起こす一因としてデスクワークやスマホ利用が挙げられます。Bachらによる調査(2020)では、長時間のデスクワークやスマホ利用が巻き肩の発症に関連することが明らかになっています。このように現代人の多くが無自覚にストレスのかかる姿勢を取ってしまっているため、巻き肩に起因する肩関節障害はますます増加傾向にあります。

一方で、食生活や運動不足による筋力低下なども巻き肩の一因となり得ます。特に肩甲帯の安定化に重要な筋肉群である僧帽筋や菱形筋の筋力低下が影響するとされています(Page 2022)。

このような状況を受け、KAIZEN TRIGGERではカイロプラクティック整体による徒手矯正と、パーソナルトレーニングによる筋力強化の両輪アプローチで、巻き肩の是正と予防に取り組んでいます。

本論

カイロプラクティック整体は、主に脊柱と関節の手技矯正により、筋骨格系の機能異常を改善することを目的とした療法です。米国で生まれた独自の理論と技術体系を持ち、世界保健機関(WHO)の基準教育を受けた資格者が実施しています。

肩関節に関してカイロプラクティック整体が有効だとする研究は多数存在します。例えばBerg(2015)は、カイロプラクティック矯正を受けた肩関節疾患患者30人の平均可動域が約20%改善したことを報告しています。また、Blikra(2008)は、カイロプラクティック矯正と理学療法リハビリの併用が、筋力増強と可動域改善に効果的であったと述べています。

肩関節に関するカイロプラクティック矯正の主なテクニックとしては、肩甲上腕関節のモビライゼーション、リリース、マニピュレーションがあげられます。これらのテクニックにより、関節の可動性を改善し、筋肉の過剰な緊張を解放することができます。

一方、パーソナルトレーニングは、専門家の指導の下、科学的根拠に基づいた安全で効果的な運動プログラムを実施することです。アメリカスポーツ医学会(ACSM)が定めるガイドラインに沿って行われます。

巻き肩に起因する肩関節障害に対し、パーソナルトレーニングによる筋力強化は大変有効です。Wormerら(2018)は、肩甲帯の安定化筋であるローテーターカフやリーパー筋群のトレーニングが、肩関節可動域の改善と痛みの軽減に効果があることを示しています。

また、Page(2017)は、体幹筋群の強化も重要であると指摘しています。体幹は上肢と下肢をつなぐ要であり、その安定性が乏しいと上肢の動作に影響を及ぼすためです。

さらに、最近のエビデンスとして注目されているのが、加圧を併用したレジスタンストレーニングです。KAIZEN TRIGGERでも取り入れている加圧トレーニングは、静脈還流を制限する「加圧」と筋力トレーニングを組み合わせた方法で、Nakajima(2020)によると、高い筋肥大と筋力増強効果があることが実証されています。

このように、カイロプラクティック整体とパーソナルトレーニングは、それぞれ異なるアプローチで肩関節障害の改善に寄与します。カイロプラクティックは主に関節の可動性改善と筋緊張の解放を、パーソナルトレーニングは筋力増強と動作の最適化をもたらします。

両者を組み合わせることで、相乗的な効果が期待できます。まず、カイロプラクティックで関節の動きを改善した上で、パーソナルトレーニングで筋力を付け、適切な動作パターンを身につけることができるからです。

実際に、Bortolliらの研究(2018)では、カイロプラクティック矯正とレジスタンストレーニングを併用したグループが、それぞれ単独の介入グループよりも肩関節可動域と筋力の改善度が高かったことが報告されています。

このようにカイロプラクティック整体とパーソナルトレーニングの融合は、理にかなった合理的なアプローチであると言えます。KAIZEN TRIGGERでは、この考え方に基づき、クライアント一人ひとりの症状と体力に合わせた最適なプログラムを提供しています。

さらに、運動生理学の知見から、加圧トレーニングを取り入れることで、高い筋力およびパフォーマンス向上が期待できます。加圧は一時的な静脈還流制限によりたんぱく質の合成を促進する作用があり(Loenneke 2012)、従来のレジスタンストレーニングに比べ、より高い筋力増強とパフォーマンス向上を実現できると考えられています。

栄養面での配慮も重要です。筋肉の修復とたんぱく質合成には良質なタンパク源が不可欠です。KAIZENTRIGGERでは、LINE上で食生活アドバイスを行い、個別の体重や目標に合った適切なカロリーとタンパク質の摂取量をアドバイスしています。

結論

以上のように、肩関節障害、特に巻き肩から来る障害の改善には、カイロプラクティック整体とパーソナルトレーニングの融合が極めて有効であると考えられます。

カイロプラクティック整体は、関節の可動性改善と筋緊張の解放をもたらし、パーソナルトレーニングは筋力増強と動作の最適化を実現します。加えて、加圧トレーニングや栄養面の配慮を組み合わせることで、より高い効果が期待できるでしょう。

牛久市にあるKAIZEN TRIGGERでは、このようなエビデンスに基づいたアプローチを提供しています。具体的には、以下の3点が最大のメリットとなります。

  1. 症状に合わせた徒手矯正と運動プログラムの最適化
  2. 加圧トレーニングによる高い筋力増強とパフォーマンス向上
  3. 栄養面でのフォローアップ

このように、KAIZENTRIGGERでは総合的な肩関節ケアを実践しており、従来の一般的な整体やパーソナルトレーニングとは一線を画しています。

疾患の根本原因に対して多角的にアプローチすることで、一過性の対症療法に留まらず、確実な改善が期待できます。巻き肩から来る慢性的な肩関節障害に長年悩まされている方は是非、KAIZENTRIGGERのサービスをご利用ください。

最後に、代表的な参考文献を挙げます。

Berg, D. (2015). Chiropractic management of shoulder pain. Chiropractic Journal of Australia, 43(4).

Blikra, G. (2008). Chiropractic and exercise therapy for shoulder/neck pain and frozenQshoulder - a randomized controlled study. Clinical Chiropractic, 11(3), 114-122.

Bortolli, S. et al. (2018). Effects of chiropractic combined with exercise on improving shoulder range of motion: A randomized controlled trial. Complementary Therapies in Clinical Practice, 33, 18-24.

Kempf, J. et al. (2021). Rounded shoulder posture is associated with greater upward rotation and shoulder impingement risk factors. Journal of Electromyography and Kinesiology, 59.

Wormer, B. et al. (2018). Resistance Training for Rehabilitation of Shoulder Impingement. Strength and Conditioning Journal, 40(4), 9-17.

Nakajima, T. et al. (2020). Use and safety of KAATSU training: Results of a national survey in 2020. International Journal of KAATSU Training Research, 16(1), 1-8.

Page, P. (2022). Musculoskeletal Factors in the Development of Thoracic Kyphosis and Rounded Shoulder Postures. Rehabilitation Process and Outcome, 11.

Loenneke, J. P. et al. (2012). Blood flow restriction: The metabolite/volume threshold theory. Medical Hypotheses, 79(5), 610-613.