「トリ子さん、今日はどうされましたか?」カイゼン先生は、受付に立つトリ子さんの様子を見て尋ねました。
「はい、カイゼン先生。実は最近、テニスを始めたんですが、右肘に痛みがあって…」トリ子さんは少し困った表情で答えました。
「そうですか。テニス肘の症状かもしれませんね。詳しく症状を教えていただけますか?」
「はい。ラケットを振るときに、肘の外側に鋭い痛みがあります。それに、コップを持ち上げるときも痛むんです」
カイゼン先生は、トリ子さんの症状を注意深く聞いていました。「なるほど。典型的なテニス肘の症状ですね。トリ子さん、テニス肘についてご存知ですか?」
「いいえ、詳しくは知りません。ただ、テニスをする人がよくなる病気だと聞いたことがあります」
「そうですね。テニス肘は正式には外側上顆炎と呼ばれる状態です。肘の外側にある腱が炎症を起こして痛みが出るんです。でも、実はテニスをしない人でもなることがあるんですよ」
トリ子さんは驚いた様子で「え?そうなんですか?」と尋ねました。
「はい。デスクワークの多い人や、家事をよくする主婦の方にも見られます。繰り返しの動作が原因になることが多いんです」
「なるほど…でも、私の場合はテニスが原因なんでしょうか?」
カイゼン先生は微笑んで答えました。「おそらくそうでしょう。初心者の方は特に、正しいフォームを身につけていないことが多いんです。それが原因で、肘に過度な負担がかかってしまうんですね」
「そうだったんですね…」トリ子さんは少し落ち込んだ様子でした。
「でも、心配しないでください。適切な治療と予防法を行えば、改善できますよ」カイゼン先生は励ますように言いました。
「本当ですか?どんな治療法があるんでしょうか?」トリ子さんの目が希望に輝きました。
「はい、まずはカイロプラクティックの治療から始めましょう。そして、パーソナルトレーニングで筋力をつけていきます。この二つを組み合わせることで、効果的に症状を改善できるんです」
「へぇ、そうなんですね。でも、カイロプラクティックってどんな治療なんですか?」
カイゼン先生は丁寧に説明を始めました。「カイロプラクティックは、体の歪みを整えることで、自然治癒力を高める治療法です。テニス肘の場合、肘周辺の筋肉や関節の調整を行います」
「痛くないんですか?」トリ子さんは少し不安そうに尋ねました。
「心配いりません。痛みを感じないよう、慎重に行いますよ。そして、アクティブリリーステクニックという特殊な手技も使います。これは、筋肉や腱の癒着を解消する効果があるんです」
「へぇ、すごいですね!でも、パーソナルトレーニングも必要なんですか?」
「はい、とても大切です。適切な筋力トレーニングを行うことで、肘周辺の筋肉を強化し、再発を防ぐことができるんです。それに、正しいフォームも身につけられますよ」
トリ子さんは興味深そうに聞いていました。「なるほど。でも、私、筋トレは苦手なんです…」
カイゼン先生は優しく微笑みました。「大丈夫です。トリ子さんのペースに合わせて、無理のないトレーニングプランを立てますよ。少しずつ強度を上げていけば、きっと楽しく続けられると思います」
「そうですね。頑張ってみます!」トリ子さんは決意に満ちた表情を見せました。
「その意気込みが大切です。さあ、早速治療室に移動しましょう」
カイゼン先生とトリ子さんが治療室に向かう途中、トリ子さんは突然立ち止まりました。
「あ、先生!大事なことを忘れてました!」
「どうしました?」カイゼン先生は驚いて振り返りました。
「実は…私、右利きなんです。でも、痛いのは左肘なんです」トリ子さんは恥ずかしそうに告白しました。
カイゼン先生は思わず笑みがこぼれました。「そうでしたか。実は、右利きの方が左肘にテニス肘を発症することもあるんです。特にバックハンドの動作で左肘に負担がかかるんですよ」
「へぇ!そうだったんですね。テニスって奥が深いんですね」トリ子さんは感心した様子でした。
「そうですね。でも、これも含めて全て対応できますよ。さあ、治療を始めましょう」
カイゼン先生とトリ子さんは、笑顔で治療室に入っていきました。トリ子さんの明るい性格と前向きな姿勢が、これからの治療の成功を予感させるようでした。

詳しく解説
テニス肘、正式名称は外側上顆炎。この症状に悩まされている方は少なくありません。牛久市のKAIZEN TRIGGERでは、カイロプラクティック整体とパーソナルトレーニングを組み合わせた独自のアプローチで、この厄介な症状の改善に取り組んでいます。今回は、テニス肘の原因、症状、そして最新の治療法について、医学的な観点から詳しく解説していきます。
テニス肘とは、上腕骨外側上顆(じょうわんこつがいそくじょうか)に付着する総指伸筋腱の炎症や変性によって引き起こされる症状です。この部位は、手首を伸ばす筋肉(手関節伸筋群)の起始部にあたります。テニス肘という名前から、テニスプレイヤーに多い症状だと思われがちですが、実際には様々な原因で発症します。
テニス肘の主な原因は、繰り返しの動作による微小損傷の蓄積です。テニスでは、特にバックハンドストロークの際に外側上顆に大きな負荷がかかります。しかし、テニス以外にも、デスクワークでのマウス操作、工具の使用、楽器の演奏など、日常生活のさまざまな動作が原因となる可能性があります。
症状としては、肘の外側の痛み、握力の低下、手首の動きに伴う痛みなどが挙げられます。特に、物を持ち上げる際や、ドアノブを回す動作で痛みを感じることが多いです。これらの症状は、総指伸筋腱の炎症や変性によって引き起こされます。
テニス肘の病態生理学的メカニズムについて、より詳しく見ていきましょう。総指伸筋腱には、通常の状態でも非常に大きな張力がかかっています。繰り返しの過度な負荷により、腱の微小損傷が蓄積されると、腱の組織学的構造に変化が生じます。具体的には、コラーゲン線維の配列の乱れ、血管新生、そして線維芽細胞の増殖が観察されます。これらの変化は、「アンギオフィブロブラスティックデジェネレーション」と呼ばれる状態を引き起こします。
興味深いことに、この状態では従来考えられていたような炎症反応はあまり見られません。そのため、「テニス肘」や「外側上顆炎」という名称は厳密には正確ではなく、「外側上顆症」と呼ぶべきだという意見もあります。この理解は、治療アプローチにも影響を与えています。
テニス肘の診断は、主に臨床症状と理学的検査によって行われます。特徴的な所見として、外側上顆の圧痛、手首の背屈に対する抵抗時の痛み(Cozen's test)、中指の伸展に対する抵抗時の痛み(Mill's test)などがあります。必要に応じて、X線検査やMRI検査が行われることもありますが、これらは主に他の疾患を除外するために用いられます。
治療法に関しては、様々なアプローチが存在します。従来の治療法としては、安静、冷却、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用、ステロイド注射などが挙げられます。しかし、これらの治療法の有効性については議論が分かれています。特に、ステロイド注射に関しては、短期的には効果があるものの、長期的には症状の再発や悪化のリスクが指摘されています。
最近の研究では、より保存的で長期的な効果を目指した治療法が注目されています。その中でも、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングを組み合わせたアプローチが、特に効果的であることが示唆されています。
カイロプラクティック整体では、アクティブリリーステクニック(ART)という特殊な手技が用いられることがあります。ARTは、軟部組織の癒着を解消し、正常な組織の動きを回復させることを目的としています。この技法は、筋肉、筋膜、腱、靭帯、神経などの軟部組織に対して適用されます。
ARTの具体的な手順は以下の通りです:
- 治療者が問題のある組織に対して特定の接触を行います。
- 患者は、その組織を短縮位から伸張位まで動かします。
- 治療者の手は静止したまま、軟部組織が縦方向に通過するようにします。
この手順を通常3-5回繰り返すか、治療者が組織が正常に機能していると判断するまで続けます。
ARTの効果に関する研究結果も報告されています。例えば、Schiottz-Christensenらの研究では、上肢の過用症候群に対するARTの役割について調査が行われました。この研究では、ARTを含む保存的治療を受けた患者の多くで、症状の改善が見られました。
一方、パーソナルトレーニングは、筋力強化と再発予防に重要な役割を果たします。特に、遠心性収縮(エキセントリック)運動が効果的であることが、複数の研究で示されています。遠心性収縮とは、筋肉が伸張しながら力を発揮する収縮様式で、テニス肘の治療に特に有効とされています。
具体的なエクササイズとしては、ゆっくりとしたウェイトの下ろし動作(例:ダンベルを使用した手首の背屈運動)や、セラバンドを使用した抵抗運動などが挙げられます。これらの運動は、総指伸筋腱に適度な刺激を与え、組織の修復と強化を促進します。
また、近年では、血小板豊富血漿(PRP)療法やショックウェーブ療法など、新しい治療法も注目を集めています。PRPは、患者自身の血液から抽出した血小板を濃縮し、患部に注射する治療法です。成長因子を豊富に含むPRPは、組織の修復を促進する効果が期待されています。
ショックウェーブ療法は、体外から衝撃波を患部に照射する非侵襲的な治療法です。この治療法は、微小循環の改善や新生血管の形成を促進し、組織の修復を助けると考えられています。
これらの治療法の有効性については、まだ研究段階のものもありますが、従来の治療法と比較して promising な結果が報告されています。
テニス肘の予防も重要なテーマです。適切なウォーミングアップ、正しいフォームの習得、適切な用具の選択、そして過度な使用を避けることが重要です。特に、テニスプレイヤーの場合、ラケットの重さやグリップサイズ、ストリングのテンションなどを適切に調整することで、肘への負担を軽減できる可能性があります。
また、日常生活においても、反復動作を伴う作業を行う際は、適度な休憩を取ることや、エルゴノミクスに配慮した作業環境を整えることが推奨されます。例えば、デスクワークの場合、マウスの位置や椅子の高さを適切に調整することで、上肢への負担を軽減できます。
KAIZEN TRIGGERでは、これらの最新の知見を踏まえた上で、カイロプラクティック整体とパーソナルトレーニングを組み合わせた独自のアプローチを提供しています。このアプローチの特徴は、単に症状の緩和だけでなく、根本的な原因に対処し、再発を防ぐことを目指している点です。
カイロプラクティック整体では、ARTを含む様々な手技を用いて、肘周辺の軟部組織の状態を改善します。これにより、組織の癒着を解消し、血流を促進することで、自然治癒力を高めます。同時に、肩甲骨や胸郭、さらには腰椎や骨盤のアライメントも評価し、必要に応じて調整を行います。これは、上肢の問題が全身のバイオメカニクスと密接に関連しているという考えに基づいています。
パーソナルトレーニングでは、個々の患者の状態や目標に合わせたプログラムを作成します。テニス肘の場合、前腕の筋力強化が中心となりますが、同時に肩甲帯や体幹の筋力強化も重要です。これは、適切な力の伝達と安定性の確保のためです。トレーニングの内容は、エキセントリック運動を中心に、等尺性運動や等張性運動を組み合わせて構成されます。
また、KAIZEN TRIGGERでは、運動療法だけでなく、日常生活やスポーツ活動におけるフォームの指導も行っています。テニスプレイヤーの場合、バックハンドストロークのフォームを改善することで、肘への負担を大幅に軽減できることがあります。同様に、デスクワーカーの場合、マウスの使い方やキーボードの位置などを適切に調整することで、症状の改善と再発予防につながります。
さらに、栄養面のサポートも重要です。適切な栄養摂取は、組織の修復と強化に不可欠です。特に、コラーゲンの合成を促進するビタミンCや、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸などの摂取が推奨されます。KAIZEN TRIGGERでは、LINEを使った食事内容のアドバイスを提供しており、栄養学と生化学に基づいた個別の栄養指導を行っています。
このように、KAIZEN TRIGGERのアプローチは、カイロプラクティック整体、パーソナルトレーニング、生活指導、栄養指導を統合した包括的なものとなっています。これにより、テニス肘の症状改善だけでなく、全身の健康増進と体質改善を目指しています。
最近の研究では、このような統合的アプローチの有効性が示唆されています。例えば、Bissetらによるシステマティックレビューでは、マニュアルセラピーと運動療法の組み合わせが、テニス肘の治療に効果的であることが報告されています。また、Coombesらの研究では、マニュアルセラピー、運動療法、患者教育を組み合わせた介入が、短期的にも長期的にも良好な結果をもたらすことが示されています。
しかし、これらの治療法の効果は個人差が大きいのも事実です。そのため、KAIZEN TRIGGERでは、初回の体験利用を通じて、個々の患者に最適な治療プランを提案しています。これにより、患者は自身の状態や目標に合った治療を受けることができます。
テニス肘は、適切な治療と管理を行えば、十分に改善可能な症状です。しかし、その過程には時間と忍耐が必要です。KAIZEN TRIGGERの統合的アプローチは、短期的な症状緩和だけでなく、長期的な健康増進と再発予防を目指しています。
結論として、テニス肘の効果的な管理には以下の3つのポイントが重要です:
- 正確な診断と適切な治療法の選択:テニス肘の症状は他の疾患と類似していることがあるため、正確な診断が不可欠です。KAIZEN TRIGGERでは、詳細な問診と理学的検査を通じて、個々の患者の状態を正確に評価し、最適な治療法を選択します。
- 統合的アプローチの採用:カイロプラクティック整体とパーソナルトレーニングを組み合わせた統合的アプローチは、症状の改善と再発予防に効果的です。KAIZEN TRIGGERでは、これらに加えて生活指導や栄養指導も行うことで、より包括的な治療を提供しています。
- 継続的なケアと自己管理:テニス肘の完全な回復と再発予防には、継続的なケアと適切な自己管理が重要です。KAIZEN TRIGGERでは、治療期間中だけでなく、治療後のフォローアップも重視しています。患者自身が自己管理の方法を学び、実践することで、長期的な健康維持が可能になります。
テニス肘で悩んでいる方、または予防に関心がある方は、ぜひKAIZEN TRIGGERの体験利用をご検討ください。牛久市にある当施設では、最新の医学的知見に基づいた治療と、個々のニーズに合わせたきめ細かいケアを提供しています。カイロプラクティック整体とパーソナルトレーニングの融合アプローチが、あなたの健康と生活の質の向上に貢献できることを確信しています。
参考文献:
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- Coombes BK, Bisset L, Brooks P, Khan A, Vicenzino B. Effect of corticosteroid injection, physiotherapy, or both on clinical outcomes in patients with unilateral lateral epicondylalgia: a randomized controlled trial. JAMA. 2013;309(5):461-469.
- Schiottz-Christensen B, Mooney V, Azad S, Selstad D, Gulick J, Bracker M. The role of active release manual therapy for upper extremity overuse syndromes - a preliminary report. J Occup Rehabil. 1999;9(3):201-211.
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