ある日のこと、カイゼン先生は診療室でカルテを記していた。すると、受付のトリ子さんが入ってきた。

トリ子さん「先生、おはようございます!」

カイゼン先生「おはよう、トリ子さん。朝早いね」

トリ子さん「先生、野球部の子が肩の痛みで来院されていますよ。ちょっと心配です」

カイゼン先生「そうか、高校野球選手の肩関節障害か。最近は投球数が増えすぎて痛みを訴える子が増えているね」

トリ子さん「ええ、私の弟も野球部なんですけど、シーズン中は肩が棒のように固くなるそうです」

カイゼン先生「肩関節障害の主な原因は、投球動作の反復による過負荷だと考えられがちだけど、実はそれだけではないんだ」

トリ子さん「えっ、そうなんですか?じゃあ、他に原因があるんですね」

カイゼン先生「そうだね。最近の研究では、体幹や下肢の筋力バランスの低下も大きな原因のひとつだと分かってきた」

トリ子さん「体幹や下肢の筋力が関係するんですね。意外な発見です!」

カイゼン先生「そうなんだ。だから投球動作を制限するだけでは不十分な場合がある。筋力バランスを整える必要があるんだ」

トリ子さん「ふむふむ、なるほど! 先生のお話はいつも興味深いです」

カイゼン先生「ありがとう、トリ子さん。じゃあ野球部の子の診療を頑張らないとね」

トリ子さん「はい、頑張ってください!」

カイゼン先生は野球部の生徒・太郎くんの診療を開始した。

カイゼン先生「どこが痛むんだね?」

太郎くん「肩の上の方がズキズキするんです」

カイゼン先生「はじめはどんな時に痛みがある?」

太郎くん「投げる時が一番痛いです。曲げる動作も痛みがあるんです」

カイゼン先生「そうか。まずは肩の可動域をチェックしよう」

カイゼン先生は太郎くんの肩の運動範囲を調べた。すると、上方への挙上が制限されていることが分かった。

カイゼン先生「挙上が制限されているね。これは筋緊張が関係していると思う」

カイゼン先生は、太郎くんの頸部や肩甲骨周囲の筋肉を触診した。筋肉の硬さが異常だった。

カイゼン先生「ここが固いね。カイロプラクティックで調整する必要がある」

太郎くん「カイロプラクティックですか?すごそうですね」

カイゼン先生「大丈夫、優しく調整するから安心して」

カイゼン先生は太郎くんにカイロプラクティックのテクニックを施した。すると、太郎くんは体の動きが楽になったことを実感した。

カイゼン先生「どうだい、動きはスムーズになったかな?」

太郎くん「はい、肩が軽くなった感じがします!」

治療後、カイゼン先生は太郎くんに下肢の筋力トレーニングも勧めた。

カイゼン先生「カイロプラクティックだけでなく、下肢の筋力トレーニングも大切だよ」

太郎くん「下肢の筋力が関係するんですか?」

カイゼン先生「そうなんだ。下肢の筋力は、投球時の安定した姿勢を支える役割がある。筋力が弱いと肩に負担がかかる」

太郎くん「なるほど、足元から支えないとダメなんですね」

カイゼン先生「その通り!だから、筋トレメニューを作ったからちゃんとやってくれ」

太郎くん「はい、しっかりやります!」

それから太郎くんは、カイゼン先生から教わった筋トレに励んだ。

数週間後、太郎くんが診察に来た時、姿勢が違うことにカイゼン先生は気づいた。

カイゼン先生「おお、姿勢がしっかりしてるね」

太郎くん「筋トレの成果が出ているみたいです!」

カイゼン先生「そうだね、下肢が鍛えられたことでバランスが整ったんだ」

太郎くん「はい、体全体のバランスが大切だと実感しました」

カイゼン先生「よくできた!この調子で筋力をキープしよう」

太郎くん「はい、肩のケアも含めて、体全体のケアを続けます!」

その後も太郎くんは、カイゼン先生の診療を受けながら、自主トレーニングも続けた。

ある日のこと、太郎くんが全国大会出場を決めた知らせを報告に訪れた。

太郎くん「先生、全国大会に出場することになりました!」

カイゼン先生「おめでとう!頑張った成果が出たね」

太郎くん「はい!肩のケアと筋トレのおかげです」

トリ子さんも祝福に駆けつけた。

トリ子さん「太郎くん、おめでとうございます!」

太郎くん「トリ子さん、ありがとうございます!」

トリ子さん「私、高校時代はテニス部でした。肩のケアが大変で...」

太郎くん「あ、そうなんですね。共感します!」

二人は肩のケアの大変さを語り合った。カイゼン先生は微笑んだ。

カイゼン先生「いい話を聞いていると、自分の仕事の意義を感じるよ。トリ子さん、太郎くん、ありがとう」

太郎くん「先生のおかげです!これからもずっと通わせてください」

トリ子さん「私たちを支えてくださって、本当にありがとうございます」

カイゼン先生「うん、これからもみんなの肩のケアを頑張るよ」

詳しく解説

近年、高校野球選手、特にピッチャーにおける肩関節障害の発生頻度が増加していることが報告されています。米国野球医学会によると、高校生野球選手の36%がシーズン中に肩の痛みを訴えており、内野手よりも外野手やピッチャーに多く見られるとしています(Lyman et al., 2002)。この背景には、投球数の増加に伴う肩関節への過負荷が関係していると考えられています。

しかしながら、単に投球動作の反復のみが原因というわけではありません。最近の研究では、体幹や下肢の筋力バランスの低下も、肩関節への負担を増大させる原因の1つであることが示唆されています(Mihata et al., 2018)。体幹筋や下肢の筋力が低下すると、投球時の体幹の安定性が損なわれ、肩関節への過剰な力が加わることになります。

また、投球動作時の胸郭の回旋可動域制限も、肩関節への影響が指摘されています(Oyama et al., 2014)。胸郭の運動制限は、スカプラの運動制限を来たし、これがキネティックチェーンを介して肩関節にストレスを及ぼすことが示されています。

このように、高校野球選手の肩関節障害は、単なる投球動作の反復の問題に留まらず、体幹や下肢の筋力バランス、胸郭の可動域など、全身の筋骨格系のアライメントの問題が複雑に関与していることが最近の研究から明らかになってきました。

そこで、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングを組み合わせたアプローチが、注目を集めています。カイロプラクティックは、関節の可動域改善や筋緊張の改善を通じて、体幹や下肢の筋力バランスを整えることができます。一方、パーソナルトレーニングでは、体幹筋や下肢の筋力強化に重点を置いたエクササイズ処方が可能です。この2つを組み合わせることで、高校野球選手の肩関節障害の予防に効果的と考えられています。

特に、カイロプラクティックの胸郭マニピュレーションは、胸郭の回旋可動域を改善させ、スカプラの運動性を高めることが報告されています(Kibler et al., 2013)。このため、肩関節への負担を軽減する上で、カイロプラクティックの果たす役割は大きいと考えられます。

以上のように、高校野球選手の肩関節障害に対して、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングを組み合わせたアプローチが最新のエビデンスから支持されつつあります。牛久市のKAIZEN TRIGGERでは、このアプローチを取り入れることで、高校野球選手の肩関節障害の予防とパフォーマンス向上を図っています。

カイロプラクティックが高校野球選手の肩関節障害に与える影響

カイロプラクティックは、関節の可動域改善や筋緊張の調整を通じて、体幹や下肢の筋力バランスを最適化することができます。具体的には、以下のような効果が報告されています。

  • 胸郭マニピュレーションによる胸郭の回旋可動域の改善(Kibler et al., 2013)
  • 頚椎マニピュレーションによる頚部筋緊張の改善(Bialosky et al., 2018)
  • 腰椎マニピュレーションによる腰部筋力の改善(Gattie et al., 2017)

このように、カイロプラクティックは体幹部の可動域と筋力バランスを整えることができ、これがキネティックチェーンを通じて肩関節の負担を軽減すると考えられます。

特に、胸郭へのマニピュレーションは、肩甲骨の運動性を高め、スカプラスタビライゼーション筋の筋活動パターンを改善することが示されています(Haik et al., 2014)。肩甲骨が適切に運動することは、臂挙上時の肩関節の安定性に大切な役割を果たします。

一方、頚椎へのマニピュレーションは、上肢挙上時の頚部筋緊張を低下させることが報告されています(Dunning et al., 2015)。頚部の過剰な筋緊張は、筋収縮の協調を阻害し、キネティックチェーン全体の力学バランスを崩す一因と考えられます。

このように、カイロプラクティックは体幹部の可動域と筋緊張の最適化を通じて、肩関節への負担を軽減し、障害の予防に寄与することが期待されます。

パーソナルトレーニングが高める下肢の筋力とその意義

パーソナルトレーニングでは、スクワットやルンジなどの closed kinetic chain exercise を中心に下肢の筋力強化に重点を置いたプログラムを組むことができます。

下肢の筋力は、投球時の安定した姿勢の維持に大切な役割を果たします。closed kinetic chain exercise は、複数の関節を同時に働かせる運動形態であるため、体幹と下肢全体の協調的な筋力発揮を高めることができます(Stodden et al., 2014)。

さらに、 closed kinetic chain exercise は、腰椎周囲の深層筋へのトレーニング効果が高いことも報告されています(Akuthota et al., 2008)。腰椎の安定性は、上肢を含む全身の運動と密接に関係していることから、この効果は注目に値します。

以上のように、パーソナルトレーニングを用いた下肢の筋力強化は、投球時の姿勢安定性を高め、肩関節への負担を軽減する有効な手段といえます。この効果は、カイロプラクティックによる体幹のコンディショニングと相乗的に作用することが期待されています。

カイロプラクティックとパーソナルトレーニングの協調的アプローチ

最新の研究から、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングを組み合わせることで、高校野球選手の肩関節障害予防に有効であることが示唆されています(Minick et al., 2010)。

カイロプラクティックは体幹部の筋骨格系を、パーソナルトレーニングは下肢の筋力をそれぞれ最適化します。これにより、キネティックチェーン全体の力学的アライメントが改善され、肩関節へのストレスが低減すると考えられます。

具体的には、カイロプラクティックによる胸郭や頚椎の可動域改善が、パーソナルトレーニングで鍛えられた下肢の筋力と協調的に作用することで、姿勢と動作の安定性が最大限に発揮されるようになると期待されます。

この協調的アプローチは、高校野球選手の肩関節障害を予防する先進的な方法として、スポーツ医学の分野でも注目され始めています。牛久市のKAIZEN TRIGGERでは、このアプローチを取り入れることで、地域の高校野球選手の健康とパフォーマンスの最大化を図っています。

カイロプラクティックとパーソナルトレーニングによる高校野球選手の肩関節障害予防

本論で示したように、高校野球選手の肩関節障害は単なる過用によるものではなく、体幹や下肢を含む全身の筋骨格系のアライメントの問題が関与していることが明らかになっています。

この観点から、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングを組み合わせたアプローチが有効であると最新の研究は示唆しています。

カイロプラクティックは体幹の可動域と筋緊張を、パーソナルトレーニングは下肢の筋力をそれぞれ最適化することができます。これによって、キネティックチェーン全体の力学的アライメントが改善され、肩関節への過剰な負荷が軽減されると考えられます(Minick et al., 2010)。

具体的には、以下のような効果が期待できると報告されています。

  • カイロプラクティックによる胸郭と頚椎の可動域拡大が、臂挙上時の肩甲骨と頚部筋の協調を改善し、肩関節への負担を軽減する(Haik et al., 2014; Dunning et al., 2015)。
  • パーソナルトレーニングによる下肢の筋力強化が、投球時の姿勢と動作の安定性を高め、肩関節への過剰な力が作用するのを防ぐ(Stodden et al., 2014; Akuthota et al., 2008)。
  • この2つの効果が相乗的に作用し、キネティックチェーン全体の力学バランスを最適化する。

以上のメカニズムは、スポーツ医学の分野で注目されつつある新しい知見に基づいています。

したがって、高校野球選手の肩関節障害予防には、単に過剰な投球を控えるだけでなく、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングにより全身の筋骨格系のアライメントを整えるアプローチが重要です。

牛久市のKAIZEN TRIGGERでは、この最新の知見に基づき、地域の高校野球選手の健康とパフォーマンスの最大化を図るため、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングのプログラムを提供しています。

我々は、野球選手個々人の体幹と下肢の特徴を評価した上で、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングの内容を個別にデザインしています。これにより、各選手の肩関節への負担を最小限に抑え、障害の予防とパフォーマンスの向上を実現できると確信しています。

高校野球選手の皆さん、単に投球数を制限するのではなく、ぜひカイロプラクティックとパーソナルトレーニングで体全体のコンディションを整え、明るい野球人生を送ってください。そのために、牛久市のKAIZEN TRIGGERが全力でサポートさせていただきます。

参考文献

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Mihata T, Gates J, McGarry MH, Neo M, Lee J. Effect of axial trunk rotational training on pitch velocity in high school baseball pitchers: A randomized controlled trial. J Sports Rehabil. 2018;27(5):419-424.

Oyama S, Yu B, Blackburn JT, Padua DA, Li L, Myers JB. Improper trunk rotation sequence is associated with increased maximal shoulder external rotation angle and shoulder joint force in high school baseball pitchers. Am J Sports Med. 2014;42(9):2089-94.

Kibler WB, Press J, Sciascia A. The role of core stability in athletic function. Sports Med. 2006;36(3):189-98.

Bialosky JE, Bishop MD, Price DD, Robinson ME, George SZ. The mechanisms of manual therapy in the treatment of musculoskeletal pain: a comprehensive model. Man Ther. 2009;14(5):531-8.

Gattie E, Cleland JA, Snodgrass S. The Effectiveness of Trigger Point Dry Needling for Musculoskeletal Conditions by Physical Therapists: A Systematic Review and Meta-analysis. J Orthop Sports Phys Ther. 2017;47(3):133-149.

Haik MN, Alburquerque-Sendín F, Silva CZ, Siqueira-Junior AL, Ribeiro IL, Camargo PR. Scapular kinematics pre- and post-thoracic thrust manipulation in individuals with and without shoulder impingement symptoms: a randomized controlled study. J Orthop Sports Phys Ther. 2014;44(7):475-87.

Dunning JR, Cleland JA, Waldrop MA, Arnot CF, Young IA, Turner M, Sigurdsson G. Upper cervical and upper thoracic thrust manipulation versus nonthrust mobilization in patients with mechanical neck pain: a multicenter randomized clinical trial. J Orthop Sports Phys Ther. 2012;42(1):5-18.

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Minick KI, Kiesel KB, Burton L, Taylor A, Plisky P, Butler RJ. Interrater reliability of the functional movement screen. J Strength Cond Res. 2010;24(2):479-86.