「むむ?なんだこの資料は?」
 カイロプラクティックとパーソナルトレーニングの専門店「KAIZEN TRIGGER」の受付を務めるトリ子さんが、事務机の上に置かれた資料に目を付けた。

「あぁ、これは炭水化物の品質と体重管理に関するハーバード大学の研究結果をまとめた資料だ。」
 そう答えたのは、同店の代表でカイロプラクター・トレーナーのカイゼン先生だった。

「かいぜんせんせ、これ読んでみると面白そうですね。肥満対策のためにはどんな炭水化物を選べばいいんでしょうか?」

「それは大切な問題だよトリ子さん。」カイゼン先生は頷きながら説明を始めた。「ここに書かれているように、単に炭水化物を減らすのではなく、その品質や供給源に留意することが重要なのだ。」

「へえ~。じゃあ、パンやごはんなどの主食の量を減らせば良いんですか?」

「そういう単純な話ではないんだ。」カイゼン先生は首を横に振った。「例えば白米や白パンといった精製された炭水化物は避けるべきだが、玄米や全粒穀物パンなら積極的に取り入れた方がいい。」

「なるほど!食物繊維が多いから消化が穏やかで、血糖値もそれほど上がらないんですね。」トリ子さんは納得した。

「そのとおり。」カイゼン先生は頷いた。「また、人工的な添加糖の多い清涼飲料なども控えめにした方がいい。かわりに果物から糖分を摂るとよい。」

「へえ、本当ですか?でも、砂糖と果物の糖質は似たようなものじゃないんですか?」トリ子さんは首を傾げた。

「違うんだ。」カイゼン先生は力説した。「果物には、ビタミンやミネラル、食物繊維なども豊富に含まれている。単なる糖質だけでなく、総合的な栄養価が高いのだ。」

「なるほど、そういう違いがあるんですね。」トリ子さんは頷いた。「一方で、野菜もたくさん食べた方がいいんでしょう?」

「そうだね。」カイゼン先生は前のめりになって説明を続けた。「特に非デンプン質の野菜、つまり根菜やナス、キャベツといった野菜からは良質な食物繊維が摂れる。デンプン質の多いジャガイモやニンジンも量を控えめにした方がいいかもしれない。」

「へえ~、なんだかよく分かりました。」トリ子さんは目を丸くした。「肥満対策のためには、食物繊維が豊富で糖質の消化が穏やかな食品を選ぶということですね。」

「その通りだ。」カイゼン先生は満足げに頷いた。「トリ子さんも最近は少し太りぎみだし、この知識を活かしてみてはどうかな?」

「え!?」トリ子さんは赤面しながらも、笑顔で言った。「かいぜんせんせに太りぎみだと言われちゃいましたね。でも、この知識を活かしてリバウンドしないダイエットに挑戦してみますね!」

数日後のこと。トリ子さんがカイゼン先生に相談に来た。

「かいぜんせんせ、前におしえていただいた食事のコツを実践してみたんですが、なかなか上手くいかないんです。」

「ほう、具体的にはどのようなところが難しいんだ?」

「まず、主食を全粒穀物に変えたんですが、白米に比べてそれほど満足感がなくてつらいです。」トリ子さんは嘆息した。「あとは、おやつに果物を選んでいるんですが、甘みが足りず物足りなく感じます。」

「なるほど、なかなか思うようにいかないものだね。」カイゼン先生は頷いた。「でも、それは当然のことさ。長年の食習慣を変えるのは簡単ではない。徐々に体を慣らしていく必要があるんだ。」

「そうなんですね…。」トリ子さんは肩を落とした。

「落ち込むな!」カイゼン先生はトリ子さんの肩を優しく叩いて言った。「お米は玄米入りのブレンド米から始めるとよい。おやつも最初は果物と市販のおやつを半分ずつにするなど、徐々に変えていけばいい。強行すれば、かえってリバウンドしかねない。」

「わかりました!」トリ子さんは元気を取り戻した。「それから、おかずもできるだけ野菜中心にしていきますね。少しずつですが、確実にライフスタイルを変えていきます!」

詳しく解説

序論

近年、肥満や過体重の問題は世界中で深刻化しており、特に先進国において顕著な課題となっています。肥満は様々な生活習慣病の主なリスク要因であり、糖尿病、心血管疾患、がん、呼吸器疾患などの発症リスクを高めることが知られています。このため、肥満の予防と体重管理は健康増進において極めて重要な課題と言えます。

体重管理における食事の役割は大きく、特に炭水化物の質と量が注目されています。炭水化物は、単糖類(ブドウ糖、果糖など)、二糖類(ショ糖など)、オリゴ糖、多糖類(デンプン、食物繊維など)に大別され、その供給源も様々です。例えば、精製された糖質や精製穀物は簡単に消化吸収されて血糖値を急上昇させる一方、全粒穀物や野菜、果物などの食物繊維は消化を緩やかにします。つまり、炭水化物の品質が異なれば、体内への影響も大きく変わるのです。

この点に着目し、米国ハーバード大学の研究グループが大規模前向きコホート研究を実施しました。結果、過体重や肥満の人では、摂取炭水化物の品質と供給源が長期的な体重管理に大きな影響を及ぼすことが明らかになりました。本稿では、この重要な研究知見を紹介するとともに、牛久市にあるカイロプラクティック施設「KAIZEN TRIGGER」における食事指導の考え方や取り組みについても解説します。

牛久市の「KAIZEN TRIGGER」は、パーソナルトレーニングとカイロプラクティック整体を融合したユニークな施設です。代表は米国カイロプラクティック資格(DC)や加圧トレーニング資格を保持する専門家で、科学的根拠に基づいた徹底した食事指導を行っています。単なるダイエットにとどまらず、トレーニングと食事を組み合わせた総合的なアプローチで、クライアントの健康的な体作りをサポートしています。

本論

ハーバード大学の前向きコホート研究では、1986年から2015年までの期間で13万6432人の男女を対象に、4年ごとの炭水化物摂取量の変化と体重変化との関連が検証されました。対象者は65歳以下で、ベースラインで主要な疾患がない比較的健康な集団でした。

その結果、4年ごとの平均体重増加量は1.5kg(5-95パーセンタイル値:-6.8-10.0kg)であり、24年間では平均8.8kgの体重増加が認められました。炭水化物の種類別に見ると、でんぷんや添加糖の摂取量が100g/日増加すると、4年間でそれぞれ1.5kg、0.9kgの体重増加に関連していました。一方、食物繊維の摂取量が10g/日増えると0.8kgの体重減少に関連しており、抗肥満効果が示唆されています。

さらに、炭水化物の供給源別に検討されました。摂取量の増加と体重減少に負の相関が認められたのは、全粒穀物(100g/日増加で0.4kg減少)、果物(同1.6kg減少)、非デンプン質野菜(同3.0kg減少)でした。逆に摂取量の増加と体重増加に正の相関が見られたのは、精製穀物(100g/日増加で0.8kg増加)、デンプン質野菜(同2.6kg増加)でした。

代替分析によると、精製穀物やデンプン質野菜、砂糖入り飲料を、同量の全粒穀物、果物、非デンプン質野菜で置き換えることで体重減少が期待できることも明らかになりました。また、過体重や肥満のある人では、これらの関連性がより顕著でした。

本研究結果から、単に炭水化物の総量を減らすだけでなく、その質や供給源に着目することの重要性が改めて示されました。高デンプン質や添加糖を控え、食物繊維の摂取を増やすことが体重コントロールに有用であることが分かります。カイロプラクティック施設「KAIZEN TRIGGER」では、こうした科学的根拠に基づき、適切な炭水化物の選択を含む食事指導を行っています。

具体的には、玄米や雑穀、豆類など完全食品からの良質な炭水化物の摂取を推奨しています。農薬や化学肥料を使用せずに作られた無農薬食材を取り入れ、生活習慣病のリスク因子となる残留農薬の摂取を避けるよう指導しています。一方、精製された糖質の摂取は控えめにし、塩分の過剰摂取にも留意するなど、偏りのない適切な栄養バランスを心掛けています。

また、栄養素の消化吸収を促進するためLINEアプリを使った食事指導も行っています。旬の食材を活用しながら個別のライフスタイルに合わせたメニュー作りのアドバイスを随時行い、実践的な食生活改善をサポートしています。適切な食事と運動の組み合わせで、内臓脂肪を減らし、健康で理想的な体作りを目指しています。

結論

肥満や過体重の問題は、単に見た目の問題にとどまらず、重篤な生活習慣病の大きなリスク要因となることが知られています。したがって、体重管理は健康維持増進のために重要不可欠な課題です。特に炭水化物の質と量、供給源に留意することが大切であり、ハーバード大学の大規模研究からもその重要性が示されました。

食事に含まれる炭水化物は、その化学構造の違いにより、吸収の速さや血糖値への影響が大きく異なります。急激な血糖値の上昇は、インスリン抵抗性を引き起こし、内臓脂肪の蓄積を促進する一因ともなります。つまり、適切な炭水化物の選択が肥満予防や体重コントロールに有用なのです。

本研究結果を踏まえると、炭水化物については以下の3点に留意することが重要であると考えられます。

  1. 食物繊維の摂取を増やす 全粒穀物、野菜、果物などの食物繊維は、体重増加を抑制する効果があります。食物繊維は消化を緩やかにし、空腹感を長く持続させるため、過剰な摂取を防ぎます。
  2. 精製された炭水化物や添加糖の摂取を控える
    精製穀物や砂糖入り飲料などの精製された炭水化物や添加糖は、体重増加につながる可能性が高いです。できるだけ控えめにし、代わりに全粒穀物や果物からの良質な糖質を選ぶことが賢明です。
  3. 食事とライフスタイルに合わせた炭水化物の最適化を図る
    同じ炭水化物でも、摂取タイミングや組み合わせによって体内での metabolic response が変わります。牛久市の「KAIZEN TRIGGER」では、個々のライフスタイルに合わせたアドバイスを行い、最適な炭水化物の質と量を提案しています。

このように、肥満対策においては単に総カロリーや炭水化物量を減らすだけでなく、その質と供給源にも着目する必要があります。牛久市の「KAIZEN TRIGGER」は、科学的根拠に基づいた食事指導とパーソナルトレーニング、カイロプラクティックの組み合わせで、トータルな健康的体作りをサポートしています。

適切な運動と良質な食事の両輪により、内臓脂肪を減らし、理想的なボディを手に入れることができます。「KAIZEN TRIGGER」のような専門家のサポートを受けながら、自身に最適な食生活とライフスタイルを見つけていくことが、健康で理想の体を手に入れる近道となるでしょう。

参考文献:

  1. Yi Wan et al. "Changes in Carbohydrate Food Sources and Long-term Weight Change in 3 Prospective Cohort Studies" BMJ 2023; 373 :e070035 https://www.bmj.com/content/373/bmj-2022-070035
  2. Adriana Carrillo et al. "Food Matrix Effects of Polyphenol Bioaccessibility from Almond Skin during Simulated Human Digestion" Nutrients 2019, 11(9), 2060 https://www.mdpi.com/2072-6643/11/9/2060
  3. Zhaoping Li et al. "Fiber Intake and Cardiometabolic Risk Among Adults with Type 1 Diabetes" Diabetes Res Clin Pract 2022 Feb; 184:109185 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0168822721003977