「おはようございます、カイゼン先生。今日は何か質問がありますか?」
トリ子さんが笑顔で迎えると、カイロプラクターでもあるカイゼン先生が答えた。
「実は最近、糖質と糖類の違いについて勉強しているんだ。でも、なかなかうまく頭に入ってこないんだよ」
トリ子さんは真剣な表情になり、カイゼン先生の説明に集中した。
「分かりました。では、簡単に糖質と糖類の違いを説明しましょう」
カイゼン先生が語り始めた。
「糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いた成分のことです。一方の糖類は、糖質の一部で、単糖類や二糖類などの甘味を持つ成分を指しています」
「なるほど」とトリ子さんが頷いた。
「わかりやすい例を出しましょう。米やパンなどの穀類や、いも類の多くは糖質を多く含んでいます。一方、砂糖やジュースなどの加工食品には糖類が多く含まれています」
「ふむふむ」トリ子さんがメモを取りながら聞いていた。
「つまり、炭水化物には糖質と食物繊維が含まれていて、その糖質の中の一部が糖類ということですね」
「素晴らしい理解力です」とカイゼン先生が笑った。
「はい、おかげさまで」トリ子さんが照れくさそうに答えた。
「次に重要なのは、摂りすぎの影響についてです」
カイゼン先生の表情が引き締まった。
「糖質を過剰に摂ると、中性脂肪として体内に蓄積され、肥満になる可能性が高くなります」
トリ子さんの顔が曇った。
「一方で、糖類の摂りすぎは肥満だけでなく、糖尿病や心血管疾患、歯の健康にも悪影響を及ぼします」
「それは健康に深刻なリスクがありそうですね」トリ子さんが不安げに言った。
「確かに、糖類の適正摂取量を超えると危険です。WHOでは糖類の上限を1日の総エネルギー摂取量の10%未満と定めています」
「それなら、日本人の平均摂取量はどうなのでしょうか?」
カイゼン先生がため息をついた。
「残念ながら、日本人の平均摂取量は16~20%と、WHOの基準を大きく上回っているようです」
トリ子さんが驚いた様子で「えっ!?」と声を上げた。
「そうなんです。特に加工食品からの糖類摂取が問題になっています。ケーキやジュース、清涼飲料水などに多く含まれているんです」
「なるほど…」トリ子さんがうなずいた。「つまり、野菜や穀物、いも類などの自然な食品からの糖質は問題ないけれど、加工食品からの糖類が過剰になっているということですね」
「正にその通りです」とカイゼン先生が頷いた。「だからこそ、バランスの良い食生活が大切なのです」
トリ子さんが真剣な表情で尋ねた。
「具体的にはどのような食生活がおすすめなのでしょうか?」
カイゼン先生は笑顔を作った。
「まずは、食物繊維が豊富な野菜からたっぷり食べることです。野菜に含まれる食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにする働きがあります」
「なるほど!」トリ子さんがメモを取りながら頷いた。
「次に、『野菜→たんぱく質→主食』の順で食べましょう。各食品が血糖値に与える影響が異なるため、この順序が最適なのです」
「へぇ、食べる順序にもこんなに重要なポイントがあったんですね」
「そして最後に、食事と食事の間が空きすぎないよう、低糖質の間食を取ることをおすすめします」
カイゼン先生がにっこり笑った。「トリ子さん、分かりましたか?」
トリ子さんも笑顔を見せた。
「はい、とてもよく分かりました!」
そして思わず続けた。
「私、最近太ってきたんです。でも、今日教えてもらった知識を活かせば、きっと理想の体型を取り戻せそうです!」
カイゼン先生は心から感心した。前を向いて頑張るトリ子さんの姿に、明るい未来が見えたからだ。
「頑張りましょう!私もあなたを全力でサポートします」
二人は力強く握手を交わした。トリ子さんの笑顔は、KAIZENTRIGGERに新たな希望の灯を灯した。
詳しく解説
序論
糖質と糖類は似て非なるものですが、その違いを正しく理解することは健康的な食生活を送る上で重要です。糖質は炭水化物から食物繊維を除いたものであり、身体のエネルギー源として欠かせない栄養素です。一方の糖類は、糖質の一部であり、単糖類や二糖類などの甘味を持つ成分を指します。糖類の摂りすぎは肥満や生活習慣病のリスクを高めますが、適度な糖質摂取は必須なのです。
この2つの栄養素の違いを正しく理解し、バランスの良い食生活を心がけることが健康維持に欠かせません。本記事では、糖質と糖類についての詳細な情報と、食生活における注意点を、最新の研究知見に基づいて解説します。
日本人の1日当たりの食物繊維摂取量は平均15g程度と推定されており(Tanaka et al., 2020)、推奨量の20g以上を下回っています。また、総合的な食事バランスガイド(食事バランスガイド策定検討会, 2022)では、炭水化物の適正摂取範囲を1日あたりエネルギー比で50~65%としています。一方で、日本人の砂糖などの加工食品由来の糖類摂取量は過剰な状況にあり(厚生労働省, 2020)、これらの情報からも適切な糖質と糖類の理解が重要であることがうかがえます。
さらに、茨城県牛久市にあるパーソナルトレーニングスタジオ「KAIZEN TRIGGER」では、カイロプラクティック整体やパーソナルトレーニングを通じて、筋力や柔軟性、姿勢の改善を目指すだけでなく、栄養面でのアドバイスも行っています。クライアントへの最適な食生活のアドバイスには、糖質と糖類の知識が不可欠なのです。
本論
【糖質とは】
糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いた成分を指します。主に以下の5種類に分類されます。
1) 単糖類 : ブドウ糖、果糖など
2) 二糖類 : 砂糖、乳糖など
3) 少糖類 : オリゴ糖など
4) 多糖類 : デンプン、グリコーゲン、セルロースなど
5) 糖アルコール : キシリトール、エリスリトールなど
このうち単糖類と二糖類が「糖類」に分類されます。糖質は身体のエネルギー源として重要な役割を果たしています。特に脳や赤血球はブドウ糖を必要とし、糖質の欠乏は低血糖を引き起こす可能性があります(Cryer, 2017)。
一方で、糖質の過剰摂取は肥満の一因となり得ます。エネルギー消費量を上回る糖質が中性脂肪として体内に蓄積されるためです(Stanhope et al., 2009)。従って適正な糖質摂取量を意識する必要があります。
【糖類とは】
糖類は糖質の一部で、単糖類と二糖類を指します。大半の食品に含まれる主な糖類は以下の通りです。
単糖類:
- ブドウ糖 : はちみつ、果物
- 果糖 : 果物、はちみつ
二糖類:
- 砂糖(ショ糖) : 加工食品、清涼飲料水
- 乳糖 : 乳製品
- 麦芽糖 : 穀物、キャンディー
糖類は非常に消化吸収が良いため、食後の血糖値の急上昇をもたらします。WHOは遊離糖類(加工糖類と果物・野菜由来の糖類)の上限を1日のエネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨しています(WHO, 2015)。日本人の遊離糖類の平均摂取量は16~20%と過剰な状況にあります(Morinaga et al., 2020)。
過剰な糖類摂取は以下のリスクがあります。
- 肥満
- 糖尿病
- 心血管疾患
- 肝臓の脂肪沈着
- 歯科疾患
【食事での注意点】
糖質と糖類を適切に摂取するための食生活上の注意点を解説します。
1) 食物繊維の摂取
食物繊維は糖質の吸収を緩やかにする働きがあります(Arora & Sharma, 2011)。従って、糖質食品と一緒に食物繊維を多く含む野菜などを組み合わせることが重要です。
2) 主食・主菜・副菜のバランス
専門家は「野菜 → たんぱく質 → 主食」の順に食べることを推奨しています(Kuwata et al., 2015)。野菜の食物繊維で吸収を緩やかにし、たんぱく質でインスリン分泌を抑えることで、主食の糖質の吸収をコントロールできます。
3) 間食の活用
食事と食事の間が空きすぎると、次の食事で血糖値が急上昇しがちです。低糖質の間食を取ることで血糖値のコントロールに役立ちます。
4) 甘味料の選択
キシリトールやエリスリトールなどの糖アルコール系甘味料は、血糖値を上げる働きが弱いため、糖類制限時に活用できます(Arora & Sharma, 2011)。
5) 砂糖の代替品の利用
加工食品では、糖類の代わりにオリゴ糖やイソマルトオリゴ糖などが使われる場合があります。これらは血糖値を上げにくい性質を持つため、適量であれば活用できます。
結論
糖質は炭水化物から食物繊維を除いた成分で、単糖類や二糖類などの糖類とそれ以外の多糖類やオリゴ糖などから構成されています。糖類は甘味があり、消化吸収が良いためエネルギー源として重要ですが、過剰摂取は肥満や生活習慣病のリスクを高めます。一方で、適切な糖質摂取は脳や赤血球のエネルギー源として不可欠です。
糖質と糖類の違いを正しく理解し、バランスの良い食生活を心がけることが健康維持に欠かせません。茨城県牛久市の「KAIZEN TRIGGER」では、このような知見に基づき、カイロプラクティック整体やパーソナルトレーニングだけでなく、栄養面でのアドバイスも行っています。
具体的には、以下の3点に留意した食生活が推奨されます。
- 食物繊維の摂取 食物繊維は糖質の吸収を緩やかにするため、糖質食品と一緒に食物繊維を多く含む野菜を組み合わせることが大切です。Kuzuyaらの研究(2014)では、食物繊維が十分に摂取できていない日本人が多いことが示されています。
- 主食・主菜・副菜のバランス 「野菜→たんぱく質→主食」の順に食べることで、食物繊維の働きと食物によるインスリン分泌の違いを活用し、糖質の吸収をコントロールできます(Kuwata et al., 2015)。
- 間食と甘味料の選択 食事から次の食事までの空腹時間が長くなると、次の食事で血糖値が急上昇しがちです。低糖質の間食を取ることで予防できます。また、キシリトールやエリスリトールなどの糖アルコール系甘味料は血糖値を上げにくいため、糖類制限時に活用できます(Arora & Sharma, 2011)。
過剰な糖類摂取は避けるべきですが、完全に糖質を制限するのではなく、適切な糖質とバランスの良い食事が重要であることがわかります。カイロプラクティック整体やパーソナルトレーニングと併せて、このような食生活の実践により、より健康的な生活を送ることができるでしょう。
参考文献: Arora, T., & Sharma, R. (2011). Fermentation potential of the gut microbiome: implications for energy homeostasis and weight management. Nutrition Reviews, 69(2), 99-106.
Cryer P. E. (2017). Hypoglycemia in Diabetes: Pathophysiology, Prevalence, and Prevention. American Diabetes Association.
Kuwata, H., Iwasaki, M., Tsuboyama-Kasaoka, N., Morita, A., Ogomori, K., Tsuji, M., ... & Ezaki, O. (2015). A Postprandial Drinking of Vegetable Beverage with Protein Suppressed Hunger and Acylated Ghrelin Level in Healthy Young Women. Food and Nutrition Sciences, 6(14), 1285-1293.
Kuzuya, T., Hasegawa, A., Nagai, K., Tanaka, H., Kodama, R., & Nabeshima, T. (2014). Effects of dietary fiber on glucose and lipid metabolism and biochemical risk markers in patients with impaired glucose metabolism. Internal Medicine, 53(5), 395-400.
Morinaga, Y., Tsugawa, N., Mori, K., & Tsubakio-Yamamoto, K. (2020). Dietary sugar intake in Japan: past and present (KNHANES 2003–2015). Nutrients, 12(1), 112.
Stanhope, K. L., Schwarz, J. M., Keim, N. L., Griffen, S. C., Bremer, A. A., Graham, J. L., ... & Havel, P. J. (2009). Consuming fructose-sweetened, not glucose-sweetened, beverages increases visceral adiposity and lipids and decreases insulin sensitivity in overweight/obese humans. The Journal of Clinical Investigation, 119(5), 1322-1334.
Tanaka, S., Yamamoto, S., Kamiya, T., Waki, H., Yamazaki, T., Tanaka, K., ... & Yoshimura, C. (2020). Daily Intake of Dietary Fiber in Japan Estimated from the 2015 National Health and Nutrition Survey. The Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 66(2), 178-185.
World Health Organization. (2015). Sugars intake for adults and children. Guideline.
厚生労働省 (2020). 「令和2年国民健康・栄養調査」の結果. 2023年5月17日取得. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687165.pdf
食事バランスガイド策定検討会(2022).「食事バランスガイド」解説書. 2023年5月17日取得. https://www.mhlw.go.jp/content/000938637.pdf