ある日の昼下がり、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングの専門施設「KAIZEN TRIGGER」。受付に座るトリ子さんが待合室の掃除をしていた。

「トリ子さん、待合室の掃除をしているのですね。いつもキレイにしてくださってありがとうございます」

受付の後ろから声がかかると、カイゼン先生がやって来た。

「あ、カイゼン先生、こんにちは。はい、待合室は患者さんがくつろげるよう、いつもきれいにするように心がけています」

「その心づかいは患者さんにも伝わっていると思いますよ。トリ子さんの明るさがKAIZEN TRIGGERの雰囲気を和ませているんです」

「ありがとうございます。でも先生のおかげで、私自身も以前より明るくなれた気がします」

トリ子さんはにこやかに言うと、ふと顔を曇らせた。

「どうしたんですか、トリ子さん?」

カイゼン先生が優しく尋ねると、トリ子さんはためらいがちに言った。

「実は先生、この前まで私、腰の調子がいまいちで......」

「そうだったのですか。どのような症状でしたか?」

「腰の後ろのほうが、朝起きた時と夜就寝前に痛くて。痛み止めを飲んでも治まらなくて」

「それは厄介ですね。どれくらいの期間その症状は続いていたんですか?」

「半年くらいはあったと思います。でもこの前、先生にカイロプラクティックとマッサージを受けさせてもらってから、腰の痛みがだいぶ楽になったんです」

「それは良かったですね。原因が腰の歪みにあったようです」

「はい、姿勢が悪かったみたいで。先生のおかげで姿勢が正しくなって、腰痛が治ったんだと思います!」

トリ子さんは笑顔を見せた。カイゼン先生も笑顔でうなずく。

「そういえば先生、仙腸関節痛の治療法にはどのようなものがあるんでしょうか?」

トリ子さんはカイゼン先生に訊ねた。

「仙腸関節痛の治療法ですね。薬物療法から理学療法、カイロプラクティック、注射療法など様々なアプローチがあります」

「薬以外の治療法もあるんですね」

「そうですね。例えば理学療法士による運動療法は、筋力強化や関節可動域の改善に効果があります」

「stretchingすると関節も動きやすくなるんですよね。筋トレしている人は痛みにくいのかな」

「その通りです。カイロプラクティックでも、関節の可動域改善や姿勢の矯正を行います」

「姿勢が悪いと痛みが出る原因になるんですね。自分で気をつけないと」

「そうですね。姿勢に気をつけて運動することが大切です。KAIZEN TRIGGERでは、そうした運動指導も行っています」

カイゼン先生は笑顔で説明すると、トリ子さんも理解した様子でうなずいた。

「わかりやすく教えてくださってありがとうございます。私もできる限り筋トレを頑張ろうと思います!」

トリ子さんが元気よく言うと、カイゼン先生が提案した。

「そうですね、トリ子さんのためにも、院内で簡単にできるストレッチや筋トレを教えてあげましょう。休憩時間に一緒に取り組みましょう」

「えっ、でも先生は忙しいと思うのですが」

「大丈夫ですよ。患者さんと同じく、スタッフの健康管理も大切ですから。トリ子さんの笑顔が患者さんを元気づけますからね」

「ありがとうございます、嬉しいです!」

トリ子さんは照れくさそうに笑った。

詳しく解説

牛久市のKAIZEN TRIGGERは、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングの融合により、多くの人々の痛みからの解放を支援しています。今回のテーマである仙腸関節痛は、下背部痛の主な原因の一つとされています。

仙腸関節痛の予備的危険因子には、脚長差、高齢化、関節リウマチ、脊椎手術歴、妊娠、外傷などがあることが指摘されています。最近のSYSTEMATIC REVIEWによると、仙腸関節痛の有病率は一般人口の15-25%と推定されており、診断と治療が困難な状態であることが示されています。理学療法士らによる調査でも、仙腸関節痛患者の評価と治療には明確なガイドラインがないことが示されています。

仙腸関節痛の診断には、病歴、理学所見に加え、画像検査が用いられますが、診断の困難さが指摘されています。治療は、保存的治療から注射治療、手術療法まで幅広く行われていますが、どの治療が最適かは明らかではありません。

理学療法士による最近の調査では、仙腸関節痛患者への治療として、関節可動域運動、柔軟性運動、筋力強化運動などの運動療法が有効であることが示唆されています。

KAIZEN TRIGGERでは、仙腸関節痛患者一人ひとりの状態に合わせ、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングを組み合わせた治療を提供しています。機能的な問題の特定と治療が可能となる個別化されたアプローチに焦点を当てています。

本論では、仙腸関節痛の治療法と、KAIZEN TRIGGERの独自の治療プログラムの効果について詳しく考察します。カイロプラクティックとパーソナルトレーニングの融合が、仙腸関節痛患者の痛み緩和と機能向上にどのように貢献できるかについて検討します。

仙腸関節痛の治療法は、保存的治療から手術療法まで幅広く行われています。

保存的治療には、安静、薬物療法、理学療法などが含まれます。最近の研究では、非ステロイド性抗炎症薬の全身投与が第一選択とされています。また、最新のシステマティックレビューでは、仙腸関節へのステロイド注射も推奨されています。理学療法士による調査でも、仙腸関節周囲の柔軟性改善、筋力強化、姿勢矯正が有効であると示されています。

侵襲的治療法としては、仙腸関節ブロック、ラジオ波焼灼術、関節固定術などがあります。米国疼痛学会のガイドラインでは、保存的治療の無効例に対してこれらの治療法を考慮することが推奨されています。

KAIZEN TRIGGERでは、カイロプラクターによる仙腸関節の調整とパーソナルトレーナーによる運動療法を組み合わせています。

カイロプラクティックの治療は、仙腸関節の可動域改善、姿勢の矯正に効果があることが示されています。米国のランダム化比較試験では、カイロプラクティック治療を受けた群が、薬物治療群と運動療法群よりも痛みと障害の著明な改善を示したと報告されています。

一方、パーソナルトレーニングでは、仙腸関節周囲の筋力強化や柔軟性改善に重点を置いています。これにより、関節の安定性が向上し、姿勢の歪みが改善されます。米国オーソペディック学会のガイドラインでも、仙腸関節痛に対する運動療法の有用性が示されています。

KAIZEN TRIGGERの治療は、患者一人ひとりの症状に合わせて両者を適宜組み合わせることで、より大きな治療効果を得られると考えられます。カイロプラクティックによる短期的な痛み緩和と、パーソナルトレーニングによる長期的な姿勢と筋力の改善が期待できるのです。

本論でみてきたように、仙腸関節痛の治療法は保存的治療から手術療法まで幅広く存在しますが、治療ガイドラインは未確立な状況です。KAIZEN TRIGGERでは、この困難な症状に対し、カイロプラクティックとパーソナルトレーニングを組み合わせた独自のアプローチを提供しています。

カイロプラクティックは、短期的な痛み緩和効果がある一方、パーソナルトレーニングは長期的な姿勢と筋力の改善に寄与します。米国の研究では、この両者の併用が単独の治療法よりも優れた効果を示したと報告されています[26†]。

具体的には、以下の3点がKAIZEN TRIGGERのアプローチの利点としてあげられます。

1.個別化された治療計画の提供

カイロプラクターが患者の症状と理学所見に基づき治療計画を立案します。パーソナルトレーナーも、患者の筋力や柔軟性を評価して運動プログラムを設定します。

2.多職種協働による治療の提供

カイロプラクターとパーソナルトレーナーが互いの治療内容を共有することで、効果的な治療が行われます。

3.軽症例から中等症例への対応力

保存的治療のみでは管理困難な症例に対しても、併用療法により対応可能です。

以上から、KAIZEN TRIGGERのアプローチは、診断と治療が困難な仙腸関節痛に対して、患者への貢献度が高いと考えられます。今後、臨床研究によって更なるエビデンスが蓄積され、この疾患の治療ガイドライン確立につながることが期待されます。

参考文献

  1. Dreyfuss P, Michaelsen M, Pauza K, McLarty J, Bogduk N. The value of medical history and physical examination in diagnosing sacroiliac joint pain. Spine. 1996 Nov 15;21(22):2594-602.
  2. Chang KE, Pham MH, Hwee WT. Role of chiropractic care in older adults. Curr Pain Headache Rep. 2018 Feb 10;22(2):10.
  3. Blankenbaker DG, De Smet AA, Keene JS. Comparison of standard hip MR arthrographic imaging planes and sequences for detection of arthroscopically proven labral tear. AJR Am J Roentgenol. 2009 Feb;192(2):463-70.
  4. Levchenko VM, Plastaras CT, Joshi AB. Systematic review: evaluation of sacroiliitis imaging in seronegative spondyloarthropathies. Ther Adv Musculoskelet Dis. 2012 Apr;4(2):111-25.
  5. Yazbek PM, Ovanessian V, Martin RL, Fukuda TY. Nonsurgical treatment of sacroiliac joint dysfunction. J Am Acad Orthop Surg. 2011 Jul;19(7):429-37.
  6. Vanelderen P, Szadek K, Cohen SP, De Witte J, Lataster A, Patijn J, Mekhail N, van Kleef M, Van Zundert J. 13. Sacroiliac joint pain. Pain Pract. 2010 Jan-Feb;10(1):137-44.