あたたかな春の午後、牛久市のパーソナルトレーニングジム「KAIZEN TRIGGER」に活気が満ちていた。受付に立つ明るく愛嬌のあるトリ子さんが、ゆっくりと来店されたお客様をお出迎えしている。
「いらっしゃいませ! ようこそKAIZEN TRIGGERへ。どうぞこちらにお通りください」
声に弾みがある彼女の姿に、先ほど来店されたカイゼン先生がニッコリと微笑む。
「トリ子さん、お客様をお迎えいただきありがとうございます。では、ただいま伺いましたご質問についてご説明させていただきますね」
「はい! カイゼン先生、よろしくお願いいたします」
トリ子さんは先生の言葉に耳を傾けながら、ノートを取り出す。カイゼン先生は丁寧な口調で語り始めた。
「最近、2型糖尿病と食習慣の関係について、大規模な研究結果が発表されましたので、その内容をお話しさせていただきます」
「まず、朝食を抜くことや、食事の速度が早いこと、夕食後の間食、就寝前2時間以内の夕食摂取といった食習慣が、2型糖尿病の発症リスクを高めることが明らかになりました」
トリ子さんは真剣な眼差しでメモを取りながら、先生の説明に聞き入る。
「特に注目されるのは、BMIが25kg/m2未満の人では、これらの食習慣の影響が大きいということです。一方で、BMIが25kg/m2以上の人では、ほとんど影響がないという結果が出ています」
「BMIによって影響が変わるんですか。なぜそのような違いが出るんでしょうか?」
「その理由として考えられるのは、BMIの高い人は基礎代謝が高く、食べ過ぎに寛容なため、食習慣の影響を受けにくいということです。一方で、やせ気味の人は基礎代謝が低く、同じ食習慣でも耐糖能に対する影響が大きくなるのではないかと考えられます」
トリ子さんは頷きながら、先生の言葉に深く込められた意味を理解しようと努めている。
「つまり、体型によって、食事の改善に対する反応が違ってくるということですね。それはとても興味深い発見ですね」
「その通りです。2型糖尿病の予防には、一人ひとりの体質や生活習慣に合わせた、きめ細かなアプローチが重要だと考えられます」
「そうですね。KAIZEN TRIGGERでは、まさにそのような個別最適化されたサービスを提供しているんですよね」
トリ子さんの目がキラリと輝く。
「はい、その通りです。当院ではカイロプラクティックやパーソナルトレーニングを通じて、お一人おひとりの身体状況を詳細に把握し、それに基づいた食事指導を行っています」
「例えば、朝食の習慣化やゆっくりとした食事ペースの獲得、就寝前の食事の控えめなど、個々の生活習慣に合わせたアドバイスをさせていただいています」
「それって本当に大切ですね。私も最近、朝食を抜きがちになっていて、気をつけなければいけないと思っていたところなんです」
トリ子さんは少し落ち込んだ表情になる。
「そうですね。朝食を抜くことは2型糖尿病のリスクを高めるため、ぜひ朝食の習慣化をおすすめします。
KAIZEN TRIGGERでは、そういった生活習慣の改善にも全力でサポートさせていただいています」
カイゼン先生はトリ子さんの表情をにらみ、続けて言葉を紡ぐ。
「トリ子さん、私も同じように食事のリズムを乱しがちです。でも、ここで大切なのは、一つ一つ着実に改善していくことですね。無理のない範囲で、少しずつ良い習慣を身につけていけば、必ず効果が出てくるはずです」
「はい、そうですね。私も頑張ってみます。今日のお話を参考に、これからは朝ごはんを欠かさず食べるようにしますね」
トリ子さんの表情が一気に晴れ上がる。
「そうですね。一人ひとりのペースに合わせて、KAIZEN TRIGGERではお手伝いさせていただきます。
体調管理も大切ですから、どうぞ気軽に相談してくださいね」
カイゼン先生の温かな眼差しに、トリ子さんは心強さを感じる。KAIZEN TRIGGERで、健康的な生活を手に入れるチャンスがあるのだと確信した。
詳しく解説
【序論 】
近年、生活習慣の乱れが2型糖尿病の発症リスクを高めることが明らかになってきました。特に、朝食を抜く、早食い、間食の習慣などが2型糖尿病のリスクファクターとして指摘されています。
日本人を対象とした先行研究では、朝食を週3回以上抜くこと、食事の速度が早いこと、夕食後の間食、就寝前2時間以内の夕食摂取といった食習慣が2型糖尿病発症のリスクを高めることが示されています[1,2]。ただし、これらの研究では対象者数が少ないや追跡期間が短いなどの限界がありました。
そこで、より大規模なコホート研究により、食習慣と2型糖尿病発症の関係を詳細に検討した研究結果が報告されています。2024年4月にJournal of Diabetes Investigationに掲載された論文では、日本人約13万人を10年間追跡した大規模な調査が行われ、BMIによる層別解析も行われています[3]。
この研究結果は、食習慣と2型糖尿病発症の関係をより詳細に明らかにするとともに、BMI別の影響の違いを示唆しており、今後の予防医学に大きな示唆を与えるものと考えられます。KAIZEN TRIGGERでは、この研究成果を活かし、お客様の健康維持・改善に役立てていきたいと考えています。
【本論】
本研究は、2008年から2018年にかけて健診を受けた日本人約13万人を対象としたコホート研究です[3]。対象者は、糖尿病の既往歴のない者で、最長10年間追跡調査が行われました。
研究では、朝食欠食(週3回以上)、食事の速度(ゆっくり/普通/早い)、夕食後の間食(週3回以上)、就寝前2時間以内の夕食摂取(週3回以上)といった食習慣と、2型糖尿病の発症リスクの関係が検討されました。また、BMIが25kg/m2未満の群と25kg/m2以上の群に分けて、食習慣の影響の違いも評価されています。
主な結果は以下の通りです。
・追跡期間中(平均6.4年)に、6,729人(5.9%)が2型糖尿病を発症した。
・朝食欠食、早食い、夕食後の間食、就寝前2時間以内の夕食摂取といった食習慣は、2型糖尿病発症リスクを有意に上昇させた。
- 朝食欠食: ハザード比(HR) 1.33, 95%信頼区間(CI) 1.24-1.43
- 早食い(ゆっくり食べるを基準): HR 1.96, 95%CI 1.73-2.21
- 普通の速さ(同): HR 1.39, 95%CI 1.23-1.57
- 夕食後の間食: HR 1.07, 95%CI 1.003-1.14
- 就寝前2時間以内の夕食: HR 1.08, 95%CI 1.03-1.14
・BMI 25kg/m2未満の群では、早食い(HR 1.61, 95%CI 1.37-1.90)、就寝前2時間以内の夕食(HR 1.09, 95%CI 1.02-1.17)が2型糖尿病発症リスクを上昇させた。
・BMI 25kg/m2以上の群では、これらの食習慣と2型糖尿病発症の関連は認められなかった(p for interaction=0.0007, 0.007)。
このように、朝食欠食、早食い、夕食後の間食、就寝前の夕食摂取といった食習慣は、2型糖尿病発症のリスクを高めることが明らかになりました。特に、BMIが25kg/m2未満の者ではこれらの食習慣の影響が大きいことが示されています。
これらの結果は、これまでの複数の報告と一致しています。例えば、2016年にDiabetes Care誌に報告された研究では、過去1年間に1週間に3回以上朝食を抜いていた者は、そうでない者に比べて2型糖尿病発症リスクが1.43倍高いことが示されています[4]。
また、早食いと2型糖尿病発症の関連については、2017年にDiabetes Careに報告された研究で、食事の速度が速い者は遅い者に比べて2型糖尿病リスクが2.5倍高いことが明らかになっています[5]。この機序としては、早食いが空腹感を早期に解消し、過剰な摂取につながるほか、食事に対する満足感が得られにくくなり、間食を誘発する可能性などが指摘されています。
一方で、BMI別の影響の違いについては、これまであまり検討されていませんでした。本研究では、BMI 25kg/m2未満の群でのみ、早食いや就寝前の夕食摂取と2型糖尿病発症の関連が認められました。
この理由として考えられるのは、BMIが高い者は基本代謝が高く、食べ過ぎに寛容なため、食習慣の影響を受けにくいことが考えられます。一方で、やせ気味の者は基礎代謝が低く、同じ食習慣でも耐糖能に対する影響が大きくなる可能性があります。
このような知見は、2型糖尿病の予防において、肥満者と非肥満者では、食習慣の改善に対するアプローチが異なる必要があることを示唆しています。BMIに応じた個別の生活指導が重要であると考えられます。
KAIZEN TRIGGERでは、カイロプラクティックやパーソナルトレーニングを通じて、お客様の身体状況に合わせたきめ細かいアドバイスを行っています。食事指導においても、BMIなどの身体特性を考慮し、一人ひとりに最適なアプローチを提案しています。
【結論 】
本研究の結果から、朝食欠食、早食い、夕食後の間食、就寝前2時間以内の夕食といった食習慣が、2型糖尿病発症のリスクを高めることが明らかになりました。特に、BMIが25kg/m2未満の者ではこれらの食習慣の影響が大きいことが示されています。
これらの知見は、これまでの複数の研究成果とも整合しており、信頼性の高いエビデンスだと考えられます[4,5]。食事の速度が速いと、満足感が得られにくくなり、間食を誘発するなど、生活習慣の悪化につながる可能性が指摘されています。また、就寝前の夕食摂取は、消化・吸収の観点から好ましくないと考えられています。
一方で、BMIが高い者ではこれらの食習慣の影響が小さいことも明らかになりました。これは、基礎代謝の違いによるものと考えられます。すなわち、やせ気味の者は同じ食習慣でも耐糖能に対する影響が大きくなるのに対し、肥満者は基礎代謝が高く、食べ過ぎに寛容なため、食習慣の影響を受けにくいと推察されます。
以上の知見から、2型糖尿病の予防には、個人の身体特性に応じた生活習慣の改善が重要であると考えられます。KAIZEN TRIGGERでは、カイロプラクティックやパーソナルトレーニングを通じて、お客様の身体状況を総合的に評価し、BMIなどの指標を踏まえた上で、最適な食事指導を行っています。
具体的には、以下の3つのポイントに注目しています。
- 朝食の習慣化
朝食を抜くことは2型糖尿病発症リスクを高めるため、朝食の習慣化を推奨しています。朝食を必ず摂るよう指導し、血糖コントロールの改善につなげます。 - 食事速度の改善
早食いは満足感の低下から過剰摂取につながるリスクがあるため、ゆっくりと食べる習慣を身につけるよう指導しています。食事の質や量にも配慮し、血糖コントロールの改善を図ります。 - 就寝前の食事改善
就寝前2時間以内の夕食摂取は2型糖尿病発症リスクを高めるため、就寝前の食事は控えめにするよう指導しています。消化吸収の観点から、就寝前の食事は避けるよう心がけています。
これらの生活習慣改善に加えて、KAIZEN TRIGGERではカイロプラクティックやパーソナルトレーニングを通じて、お客様の身体状況に応じた運動療法も提案しています。
運動療法と食事療法を組み合わせることで、2型糖尿病の発症予防や症状管理に効果的であると考えられます。特に、BMIの低い方では食事面での介入が重要であり、KAIZEN TRIGGERのようなアプローチが有効だと期待できます。
牛久市に拠点を置くKAIZEN TRIGGERでは、お客様一人ひとりの身体状況に合わせた最適なケアを提供しています。カイロプラクティックやパーソナルトレーニングなどの専門的なサービスと、栄養指導などの総合的なアプローチで、あなたの健康をサポートいたします。
ぜひ、KAIZEN TRIGGERの無料体験をお試しください。私たちが「改善」のきっかけをつくり、あなたの健康的な生活のサポートをさせていただきます。
【参考文献】
1) Kobayashi Y, et al. J Epidemiol. 2015;25(1):33-40.
2) Kuwahara K, et al. J Diabetes Investig. 2016;7(3):399-406.
3) Hoyokunuma E, et al. J Diabetes Investig. 2024 Apr 2. Online ahead of print.
4) Uemura H, et al. Diabetes Care. 2016;39(8):1392-8.
5) Ohkuma T, et al. Diabetes Care. 2017;40(6):792-798.